市航路対策協議会(会長・篠原一生市長、15人)が3日、市役所郷ノ浦庁舎で開かれ、九州郵船株式会社の竹永健二郎社長らが高速船ジェットフォイル「ヴィーナス2」の更新計画に関して説明した。
竹永社長は「ジェットフォイルは現在国内で18隻が就航、船齢が最も高いのは昭和54年建造で45年が経過している。今回更新対象のヴィーナス2は船齢が5番目に古く、昭和60年進水で39年。ヴィーナス1は平成3年進水で船齢33年。ヴィーナス1の建造費は税込みで28億4千万円。平成11年に佐渡汽船からヴィーナス2を10億2千万円で購入している。ジェットフォイルは船価が高く自社単独で建造するのは困難なため、各行政の支援をお願いしたうえ、条件が整えば更新したいと考えていた。平成24年に所属する日本旅客船協会に高速船問題委員会を設置し、要望活動をしてきた。平成29年5月には東海汽船が更新を発表。船価がガスタービンを含まない船体のみで約51億円。自己資金5億円、東京都の補助金が23億円、支援機構からの借り入れ23億円。25年ぶりにジェットフォイルの新造船が就航した。この度、国の支援事業の枠組みが決まり、建造船価の1/4を国、1/8を長崎県、1/16ずつを壱岐市、対馬市で負担して頂くことになった。平成26年には見積もり船価が45億円だったが、高騰が続き令和5年には73億を超え、仕様追加により税抜きで約80億円に達した。仕様が固まったら船価の1/2を鉄道運輸機構に共有建造を申し込み、これが認められれば年内にも川崎重工と建造契約を交わす。令和7年度加工開始、8年度起工、9年度進水、10年度引渡の行程で、今後、鉄道運輸機構により返済のための厳しい審査がなされる」と経過を説明した。
委員からは「大変な投資になるが、採算性は大丈夫なのか」と質問があり、竹永社長は「厳しいとは思う。市中銀行から40億円、鉄道支援機構から40億円をお借りするが、金利がかかり、消費税も高いので相当な負担になる。東海汽船のように以前のガスタービンが使えないため、新しいガスタービンになるのでより金額がかさんだ」と苦しい胸の内を明かした。また国の予算について「通常は海事局が担当だが、そこに予算がなく観光庁の予算となるため、自転車を積むスペースを用意しないといけない点も大変だ」と話した。