市こども・子育て会議で市こども計画の作成が進められている。10月30日に開かれた会議では、その素案が示された。
令和5年に施行されたこども基本法の第10条で、市町村は国のこども大綱、都道府県こども計画を勘案して「市町村こども計画」を作成する努力義務が課せられることになり、壱岐市は今年度に計画期間が満了となる「第2期壱岐市子ども・子育て支援事業計画」を発展させ「壱岐市こども計画」として新たに策定することになり、株式会社九州みらい研究所に委託。計画づくりを進めている。
こども家庭庁はサイト上で「自治体こども計画策定のためのガイドライン」を公表しており、壱岐市こども計画もこのガイドラインに沿い、市総合計画を最上位計画とし、市地域福祉計画、市教育振興計画、健康いき21など各種関連計画と整合を図りながら、市こども計画の策定に取り組んでおり、今回の会議で示された素案も、壱岐市の状況や子育て支援策とその目的、現状と課題などが網羅されている。
その面ではよくできている計画案と言えるのだが、計画の最も肝である「施策の展開の基本目標」の項を見てみると「壱岐市のすべての子どもが持つ権利の保障」「妊娠から子育てまでの切れ目ない支援体制の充実」「子どもの成長段階に応じた支援の充実」「子どもや子育て家庭に対する専門的支援の充実」「子ども・若者が希望を持って生きていくための支援の充実」が大きなテーマとして示されており、これは「壱岐市」の部分を他の自治体の名前に置き換えても通用するのではないかと思えてしまった。
もっと壱岐市ならではの子育て環境、独自の方針をこども計画に盛り込んだ方が、この計画を見た多くの人が「壱岐で子どもを生み育ててみたい」「壱岐で子育てをしていて良かった」と思ってもらえるのではないだろうか。行政らしい計画も必要だろうが、誰もが読んでみたいと思える計画書も作成してもらいたい。