製造時の二酸化炭素の排出が少ないなど環境負荷が小さい材料について、その研究を発表するエコマテリアル国際会議が11月27~29日、壱岐の島ホールであり、中国やタイ、インドなど海外からの約20人を含む研究者が参加。口頭やポスターで研究発表を行い情報交換した。
主催は、大学や研究機関の研究者で組織される「エコマテリアル・フォーラム」で、会長は一般社団法人サステイナビリティ技術設計機構(茨城県つくば市)の代表理事で、勝本町勝本浦出身の原田幸明さん(72)。
同会議は2年に一度、世界各地で開催され、今回で15回目、本県では初開催となった。また、これまでは研究者のみの参加だったが、今回は初めて一般市民に公開。ポスター発表では太陽光発電の余剰電力を水素と酸素活用したり、藻場回復に取り組むなどしている壱岐市なども参加した。
原田会長は口頭発表で材料技術や設計技術について、「これまでは作って育て、その後は社会任せだったが、これからは社会で責任をもった生き方を示す教師と元気さを保つ医師の役割が必要」と訴えた。
2日目には東京大学の山本良一名誉教授の基調講演もあった。
今でも疲れた時には目を閉じて辰ノ島や若宮島の景色を思い浮かべるという原田さん。「今までは国際会議を開くと、アカデミックな人たちが集まって、専門家だけが議論してきたが、今回は壱岐市の紹介もあり、専門家だけの集まりじゃない会議ができた。これを定着させたい」、壱岐については「サステイナビリティの見本。食の問題にしても自給自足が可能で、海と緑に囲まれて、日本だけでなく世界的にモデルになり得る地域だと思う」と話した。