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「二十六の瞳」全国大会へ 全校児童13人の三島小Jrバレーボールクラブ

全校児童13人の「二十六の瞳」が全国大会出場権を獲得した。6月25、26日に諫早市で行われたファミリーマートカップ第36回全日本バレーボール小学生大会長崎県予選大会・男女混合の部で優勝した三島小学校(長岡正典校長、13人)のジュニアバレーボールクラブ(濱口修監督、10人)が、8月9~12日に東京体育館(東京都渋谷区)などで開催される全国大会へ出場する。本市からの全国出場は第14回大会(平成6年)女子の部の渡良以来、22年ぶり2度目。他のスポーツを含めても団体での全国大会出場小学校は渡良のソフトボール、盈科の軟式野球など少ない。全校児童13人、バレーボール部員は4年以上全児童の10人という2次離島・三島の全国大会出場は、全国的にも注目を浴びる快挙だ。
県大会優勝から1週間が経過した2、3日。同チームは石田スポーツセンターなどで開催された第7回文月杯壱岐親睦バレーボール大会男女混合の部に出場(準優勝)した。市内19チーム、島外29チーム、計400人以上が出場した大会の開会式で、同部の偉業が紹介されると大きな拍手に包まれた。
離島だけでなく、少子化の影響で地方の小学校はどこも部員不足が大きな悩みになっている。だが、これ以上はないとさえ思える児童不足の三島が、全国大会出場を実現した。濱口監督(41)は「三島や壱岐の子どもたちはもちろん、全国の小さな学校の小学生たちに勇気を与えることができたのではないか」と話した。
三島は昨年まで女子チームがあったが、今年度は女子部員が6人になり、1人が休むと試合ができないこと、男子にも単独チームで試合をさせたいとの思いから、男女混合チームを結成した。昨年4月に原島、長島分校が大島本校に統合されて、フェリー通学の大変さはあるものの、同じ教室、校舎で授業を受けることで、より意思の疎通ができるようになり、チームワークが深まった。
全日本バレーボール小学生大会でも、多くの子供たちがバレーボールと親しめるように、平成26年から男女混合の部を新設した。混合の部は、男女それぞれまたはどちらかでチーム編成ができる場合、混合チームのみの参加はできない。また試合は男女どちらも2人以上でなければならないなど、部員数が少ないチームに配慮した規定はあるが、日本小学生バレーボール連盟は「全校児童13人のチームが全国大会に出場した例はない」と話している。
三島の主力メンバーは、6年生3人がいずれも女子であるため、女子4人、男子2人の構成。小学校高学年になると男女の体力差、筋力差が出てくるため、強豪校は「男子4人」編成が多く、その点も異例だ。濱口監督は「6年夏が過ぎると男女の差がはっきりするが、夏までならギリギリ、女子でも何とかなる。男子に比べると女子は真面目で、コツコツ努力をしている」と男女差を逆転できると信じている。
三島は、キャプテンの小島奈々美(6年)がセッターとしてもチームを引っ張り、まとめている。小島は「全国大会なんて信じられないが、最後まであきらめないで全力でプレーしたい。みんなの責任感が出てきて、1日1日強くなっている気がする」とふざける下級生男子を叱りながら、チームの和を大切にしている。
試合は島永侑依(6年)、松永香凛(5年)が男子顔負けの強烈なサーブで相手レシーブを乱し、チャンスボールに小島がきっちりとトスを上げて、エースアタッカーの德村朱莉(6年)が160㌢の長身と、最高到達点2㍍45の高い打点で豪快にスパイクを決める。島永は「エンドラインに3色のコーンを置いて、ギリギリを狙ったサーブを毎日練習している」とサーブに自信を持っている。
原島から通う德村は「フェリーの時間までしか練習できず、朝練もできない。特に日没の早い冬は厳しいが、昼休みにもできるだけ練習している」と努力で練習時間不足を補っている。
三島小はこのまま転校生がなければ、29年度は11人(4年以上のバレー部員7人)、30年度は8人(同5人)、31年度は7人(同3人)と児童数の減少が続き、バレーボール部の活動も厳しくなる。それだけになおさら、全国大会では「三島魂」を全国に見せつけ、歴史に名を刻む。
◆男女混合の部の県勢成績 新設された平成26年は長崎北児童クラブが準優勝。昨年は秋桜クラブがベスト8に入った。

 

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