今月末に3年の任期満了を迎える市地域おこし協力隊員の長澤みずきさん(36)=群馬県太田市出身、移住定住促進担当=が20日、壱岐の島ホールで活動報告会を開き、同僚隊員ら約50人が参加した。
長澤さんは移住相談会に参加したほか、空き家の利活用促進を目的にした芦辺浦の団体「たちまち」と連携を図るなど移住定住を促進。勝本浦に新たに空き家・移住相談室「イエマチ」も開いた。
任期中、市の空き家バンク登録は139軒、契約数は77軒にのぼり、移住相談には793人が相談。そのうち304人が移住した。3年目の相談者数は初年度から約1・5倍に増えた。
さらに勝本浦のまちづくりを目指す任意団体「かつもとの縁側」に加わったり、就農と移住を目指すJAなどとも連携。空き家と移住を取り巻く他組織と横断的に協力してきた。
また、移住を考えている人のほかに、潜在的に移住ニーズを持つ人に向けてアプローチする必要性を感じ、福岡市内で新たに相談会を開いたり、通行人にPRも敢行。オンラインで移住者の映像を紹介して移住への糸口をつくる「上映会」も開いた。
報告会で長澤さんは「移住後、やっぱり違った、こんなはずではなかったという声が少なからずあった。ミスマッチを防ぐことは、移住前に接することができる私たちの使命。知らなかったという後悔はしてほしくないので、始めに正直に伝えていくことを大事にした」と語った。
3年間を振り返り、「壱岐の魅力はいつもの暮らしの中に溢れている。その本来の価値にスポットを当てて、覚悟を持って言葉にしていきたい」と述べた。
長澤さんはすでにデジタルコンテンツのサポートや地域イベントの事業を手掛ける会社を元協力隊員と勝本町に設立しており、退任後も本市を拠点に活動する。