様々な分野で活躍している卒業生の話を聞く「渡良小学校版~ようこそ先輩」が10日、同校(中上一義校長、76人)で行われ、久留米大学病院高度救命救急センターで医師として活躍している下条芳秀さん(36)が全校児童に講義を行った。
下条さんは「渡良小時代はソフトボールの投手で、運動ばかりしていた。救命医、外科の手術というとすごく器用に思われるけれど、実際は不器用。投手が“打たれないかな、怖いな”と思っているのと同じで、失敗しないかといつも不安に思っている。でも、これも投手と同じで、最後は判断力、決断力なのです」と救命医の内面を判りやすく紹介した。
「仕事中は、この患者さんが祖父、祖母だったら、と考えています。みんながいるからいまの自分がある、という感謝の気持ちを忘れずに、患者さんに敬意を払う。そうすると患者さんにも気持ちが通じる。みんなにも周りの人に、感謝の気持ちを持っていてもらいたい」。
「小学校の時は、サラリーマンになって貯金をして、47歳で社長になって、定年後は安定した暮らしをしたいと文集に書いていた。でも高校2年の時、隣に住む1人暮らしのおばあちゃんが入院して“僕が付いていてあげられれば2人になれる”と思って、医師を目指すことにしました。将来の夢を見る時は、単に“○○になりたい”ではなく、“○○になって誰かを喜ばせたい”と思うようにして欲しい」。
「夢を叶えるためには、前向きな行動、他人のせいにしないで全ての解決は自分にあると思うこと、夢をあきらめないことが大切」などと生き方について熱く語った。
下条さんと同じくソフトボール部で投手をしている日高真樹さん(6年)は「僕も下条先生のように、夢を叶えたいと思いました。僕の夢はプロテニスプレーヤーになって、日本中の人たちを喜ばせたいことです」と先輩に負けない大きな夢を語った。