一支国博物館の第72回特別企画展「壱岐の元寇展 伝・説・語」が12月25日に開幕した。観覧無料で2月24日まで。
同展では、元寇の歴史をパネルで解説。史料がほぼ皆無とされる壱岐の元寇の歴史を、古くから地域に残る元寇が連想される地名(遺称)や伝承をもとに検証し、元軍の侵攻ルートを巨大地図上で表示し、750年前に起きた数日間の出来事を復元した。
展示物では、壱岐出身の直木賞作家、故白石一郎氏(1931‐2004)の「蒙古の槍」(1991)などの生原稿や手紙に加え、対馬に「蒙古兜」として伝わる「伝蒙古兵しころ付き鉄兜」(対馬高校所蔵)や70年以上前に勝本町新城東触の新城千人塚から出土したと伝わる刃渡り50㌢以上の「伝蒙古兵青龍刀」など20点を展示している。
その中で、「『至元四年』銘双龍文青銅鏡」(直径24・7㌢)は、湯ノ本の片苗湾を望む高台にあった旧白華山覚音寺に納められていたもので、元寇の際に蒙古兵が持ち込んだと伝わる貴重な資料。中央にモンゴル帝国の元号「至元四年」と記されている。
河合恭典副館長は「壱岐の島は元寇の舞台で、その舞台だからこそできる元寇展。壱岐の方をはじめ、島外の元寇ファンにも見に来てもらいたい」と話した。