歴史・自然

「歴史のキャッチボールを」 梅屋庄吉の曾孫、小坂文乃さんが講演

 壱岐高校(桑原鉄次校長、414人)でこのほど、講演会「孫文・梅屋庄吉と長崎」があり、梅屋の曾孫で、日比谷松本楼代表取締役社長、小坂文乃さん(56)が講演した。小坂さんは、梅屋の妻、トクが本市勝本町出身だった縁で、平成25年から壱岐市観光大使を務めている。
梅屋庄吉は、中国の辛亥革命の指導者、孫文を物心両面で支え続けた長崎出身の実業家で、県は「夢と志を持ち続けることの尊さを伝えよう」と、平成26年から毎年県内の中学校や高校で講演会を開いている。
小坂さんは、梅屋と孫文の生い立ちや二人の出会い、そして「君は幣を挙げよ、我は財をもって支援す」との盟約が交わされたことを話し、「梅屋は困った人を放っておけない性格だった。ぶれない男だったのでこの言葉を一生守った」などと人柄を紹介した。
また、中国の革命家の中心人物たちが寄せ書きした屏風が、東京の梅屋の家にあることを挙げ、「日清戦争に日本が勝ち、中国から大量に留学生が来た時期があり、日本で孫文の革命の思想に触れて、革命同盟会が東京で生まれ、日本人が支援して中国の革命が成功した。中国の歴史の波が変わる時、日本人が大きく関わっている。そのことはほとんどの日本人も中国人も知らない」と強調。「中国は思想的に好きとか嫌いとかあっても、関わっていかないといけない国。どうしても歴史の壁が出てくるが、その時に日本人が友好的に中国の歴史に関わったということを言ってほしい。歴史のキャッチボールをして、いいアジアを作っていける皆さんは希望の光です」などと述べた。
生徒を代表して、2年、今田希美さんは「孫文と梅屋庄吉の関係を知ることができ、日本は世界との関わりが強いということがわかった。日本の活躍した人をあまり知らないので、もっと知っていこうと思った」と述べた。

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