学校、団体、企業、自治体などが脱炭素を目的とした地球温暖化防止に取り組む活動を審査して表彰する全国大会「脱炭素チャレンジカップ」(同実行委主催)の最終審査が6日、東京都であり、140件を超える応募の中から、壱岐市が最高賞の環境大臣賞(グランプリ)を受賞した。
壱岐市は企業・自治体部門にエントリーし、事前の書類審査を通過。最終審査を受けるファイナリスト24団体に選ばれていた。
市は「再エネとグリーン水素で目指せ!脱炭素の島実現プロジェクト」と題して、トラフグ等の陸上養殖で行う太陽光発電の活用とその余剰電力を水素として貯蔵して活用する実証事業を説明。水の電気分解で発生する酸素と熱を養殖に活用する取り組みを応募。二酸化炭素排出を約41・6㌧(令和4年度)削減できたほか、視察が30件以上(4百人以上)あり、経済波及効果が1500万円以上あることも強調。他の離島へ応用や電気・酸素・熱を使う産業分野への展開、環境教育の素材や観光資源としての活用する方針であることも示した。
受賞式で審査委員長の東京大学未来ビジョン研究センター、江守正多教授が講評を述べ、「再エネが増えると需要と供給のバランスをとるために、水素を作ればいいじゃないかと誰でもが言うが、実際にやっている人は少ない。酸素と熱を活用して、課題を克服するだけでなくプラスをもたらす工夫で、これから水素で再エネを安定化していこうということが世界中に出てきた時に、壱岐市の取り組みを参考にして課題を皆が乗り越えていくことができる。日本全体で参考になる取り組みだ」と讃えた。
発表した市SDGs未来課の篠崎道裕課長は「事業に関係する皆さまと事業に理解いただいている市民の皆様に感謝したい。まだ道半ばの事業で県内外の離島、全国に広げられるよう努力していきたい」と話した。