一支国博物館の第64回特別企画展「壱岐ゆかりの芸術家ウエダ清人展 悠遠の旅人・壱岐」が4月28日から始まった。6月4日まで前期展示があり、一部を展示替えした後に6月6日から25日まで後期展示がある。観覧無料。
画家のウエダ清人(せいじん)さん=本名・上田清人(きよと)さん=は、新上五島町有福島出身。元県内中学校の美術教師で、2005年から4年間は沼津中学校校長を務めた。同企画展では壱岐の原の辻遺跡や辰ノ島の蛇ヶ谷、鬼の足跡などを題材にした油彩画25点を展示している。
ウエダさんは、企画展開幕を前に、報道向けの内覧会で壱岐での思い出や作品を説明。壱岐在住の時を振り返り、「出会った人たちが温かく、付き合うほどに親しみが湧いた。一歩外に出ると、どの方向を見ても(絵の)題材になった。私が描きたかったのはここだと思った」と語った。
作品は、納得がいくまで何度も塗り重ねる手法で、同時に5~10点の複数枚を描くという。絵具の一部には、壱岐の石を砕いた粉から練られたものを用いており、その石粉の立体感が作品の表面に表れている。
ウエダさんは「五島の小さな島で育ち、何にもないと嘆いていたが、改めて見直すと、いいところをいっぱい感じ取ることができる。特にひとりでも多くの子どもたちに感じてもらいたい」と話した。
関連イベントも予定され、20日午後2時からはワークショップ「感性を養う!子ども工作教室」(定員25人、要予約)、21日午後2時からは特別講座が開かれる。いずれも参加無料。申し込みは同博物館(☎45‐2731)。