今年正月の第98回箱根駅伝でチームとしては初出場を果たし、繰り上げスタートにならず最後まで襷をつないで総合19位となった駿河台大学(埼玉県飯能市)の駅伝部選手17人、徳本一善監督らスタッフ4人の21人が、8~15日に本市で合宿を行った。箱根駅伝出場チームの本市での合宿は初めて。
県スポーツコミッションによるスポーツ合宿誘致活動の一環で、市観光課職員も埼玉県の同大学まで足を運び積極的に壱岐をPR。昨年2月には監督、コーチが現地視察を行い、合宿が決定した。当初は昨年3月の予定だったが、新型コロナの影響で延期。今年も最初は2月15日からの予定だったが、2度目の延期でようやく実現した。
合宿メンバーは、大きな注目を浴びた31歳の今井隆生さんら卒業する4年生は抜けたが、箱根駅伝1区を任された清野太成、3区の町田康誠キャプテン、5区永井竜二、8区出仙龍之介ら主要メンバーが揃った。
選手は原の辻ガイダンス周辺道路で25㌔走などロード練習、筒城浜のタータン舗装したジョギングコースでトラック練習、芝生広場でストレッチやアップ、壱岐カントリークラブでは坂道の練習など、1日3部体制で壱岐ならではの多様な練習環境をフルに活用し、来年の箱根駅伝へ向けての練習を積んだ。
町田主将は「ロードコースには距離標識を設置してくださり、車の通行量も少なく非常に走りやすかった。タータンは路面がきれいで走りやすく、芝は足に衝撃が少なく、ゴルフ場は箱根の山登り、山下りも意識できた。それぞれのコースで充実したトレーニングメニューをこなすことができ、市民の応援の声も肌で感じることができた。食べ物が美味しいのはもちろんで、普段とは違うモチベーションの高さで練習に集中できた」と1週間の合宿を振り返った。
チームの目標はもちろん2年連続の箱根駅伝本選出場と、10位以内で次年のシード権獲得。町田主将は「シード権を獲得するためには個々の能力アップをさせなければならない。意識を高く持ち、チームをさらに変革させるために、この壱岐合宿は大きな意味がある。主将としては自分のタイムだけでなく、全体のレベルアップができるように引っ張っていかなければならない」と決意を新たにした。
徳本監督は「この時期は基礎能力を再構築することが重要で、壱岐の様々な地形のコースで走れたのは良かった。合宿は集中力を高める効果もある。できれば来年以降も壱岐合宿を続けたいし、コロナ禍が明けたら子どもたちへの陸上教室開催など、壱岐の市民ともっと触れ合いたい」と話した。