第32回壱岐の島新春マラソン大会(同実行委員会主催)が14日、芦辺・ふれあい広場を発着とする特設コースで開かれ、6部門33種目に延べ1859人が出走した。降雪により前日の長崎‐壱岐間の航空機が欠航するなど県内交通機関の乱れなどもあり、出場者は昨年の1980人からやや減少したものの、最高気温7・1℃、最低気温4・8℃、曇り・微風という長距離走には絶好のコンディションで、ハーフマラソンでもリタイア者は2人だけという高い完走率。大会新記録も4種目で8人が記録するなど、好記録続出に沸く大会となった。
大会のメーンとなるハーフ一般男子総合は、壱岐の長距離界を牽引する川下和明さん(38=郷ノ浦町漁協)がその存在感を存分に示し、1時間12分51秒で2位に53秒差をつける独走で、5年ぶり7度目の王者に輝いた。「思っていたよりも足が動いてくれた。1時間12分台が目標だったので、達成できて満足している」と喜びを爆発させた。5年前は1時間10分台で優勝、4年前は同11分台で2位と強さを見せていたが、この4年間は故障に苦しんで、昨年は1時間19分台まで落ち込んでいた。だが故障も回復しつつあり、昨年の壱岐ウルトラマラソンでは80㌔地点まで独走。足がつったため途中で歩いて2位となったが、自信を回復させるには十分のレース内容を見せた。「最初は若い人たちと4~5人の集団だったが、9㌔付近で少し仕掛けたら誰もついてこなかったので、その後は1㌔3分30秒の自分のペースで走ることができた」と世代交代を許さない圧倒的な強さだった。
ハーフのスタート前には小学1年の蒼希さんとファミリー1㌔で優勝、小学3年の愛羽さんと同4位と、ともに3分台で1㌔を2本走破。「3年の娘は去年が2位だったので勝たせてあげたかったけれど残念。蒼希はまさか3分台とは思わず、少し消耗したけれど、楽しかったですよ」と底抜けのスタミナを見せ付けた。26~28日の郡市対抗県下一周駅伝大会でも、壱岐のエースとしてチームを牽引してくれそうだ。