市中学校体育連盟駅伝競走大会(男子55回、女子38回)が4日、筒城浜ふれあい広場ジョギングコース(1周1000㍍)の周回コース(男子6区間20㌔、女子5区間12㌔)で開催され、4校8チームが出場。女子は郷ノ浦Aが4年連続制覇、男子は勝本Aが中学統合後初優勝を果たした。2位は男女とも芦辺Aで、男女1、2位の4チームが11月8日に諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で開かれる県大会への出場権を獲得した。降雨と強風の悪条件となったが、女子2区德島未羽(郷ノ浦3年)、男子3区原田航汰(勝本1年)が区間新をマークするなどハイレベルな戦いとなり、県大会での上位進出が期待される結果となった。
●女子
女子は郷ノ浦Aが今年も層の厚さを見せた。1区に県中総体八百㍍優勝、ジュニアオリンピックへの出場も決めている1年生ながらエース格の野村夏希を配した。野村は公式戦初体験となった3㌔でも抜群のスピードとスタミナを見せて10分27秒。2位土肥さくら(勝本A)に18秒差をつけてチームを勢いづけた。ライバルと目されていた田中咲蘭(芦辺A)は足の故障と体調不良で10分57秒と失速。芦辺Aに30秒差をつけた。
郷ノ浦Aは2区德島が7分03秒の区間新、3区末永笑愛(3年)も区間賞で差を広げ、4、5区も区間2位の安定した走りで43分33秒。昨年の42分51秒には及ばなかったが、順当に4連覇を果たした。アンカーを務めた山口凜(3年)は「1区で1年生の野村さんが素晴らしい走りを見せてくれた。本当にたくましい1年生で、2、3年生も負けられない気持ちで走った。風は強かったが、悪天候の時も毎日練習してきたので気にならなかった。ただ自分の記録は昨年の10分45秒から11分29秒に落ちてしまったので、県大会へ向けて調子を上げていきたい」と話した。
郷ノ浦は昨年の県大会で、アンカー山口が区間3位の力走を見せて6位入賞を果たしており、「県大会では最低でも昨年以上の順位を目指したい」と意欲を見せた。
2位争いは3区まで勝本Aがリードしたが、芦辺Aは4区村田早岐(2年)が区間賞で逆転。アンカーの大井陽香理(3年)も区間賞の走りで、昨年に続いて勝本Aとの2位争いを制した。大井は「4区で2年生の村田さんが頑張ってくれた。1区の田中さんも体調が悪い中、最後まであきらめないで走ってくれたことが2位につながった」と後輩たちの頑張りを称えた。
芦辺は昨年の県大会で1年生3人、2年生1人の若いメンバーながら7位入賞を果たしている。当時もアンカーを務めて区間7位で順位を上げた大井は「昨年の県大会は、ラストスパートであと一歩で郷ノ浦をとらえられなかった。郷ノ浦を負かせば上位入賞が狙える」と県大会での表彰台を見据えた。
●男子
男子は勝本Aが全員区間賞という圧巻の走りを見せた。1区で、Aチーム唯一の2年生、山口陽大がゴール前の芦辺A・井手聖貴(3年)との競り合いを1秒差で制すると、2区川添友也(3年)はその差を19秒まで広げる。さらに3区の1年生原田が9分50秒の区間新。区間2位とは23秒もの差で、早くも独走状態を作った。そのリードを4~6区でさらに広げて、ゴールでは2位芦辺Aに1分05秒の大差をつけた。
アンカーの下條豊祈(3年)は「昨年は5区まで郷ノ浦Aをリードしていたのに、アンカーの僕が逆転されて2位になり、悔しい思いをした。絶対に借りを返すつもりだった。序盤でみんながリードを広げてくれたので、余裕を持って走ることができた。県大会は昨年6位だったので、もちろんそれ以上を狙っている」と意欲を見せた。
芦辺Aは6人中5人が区間2位、1人が3位と安定した走りで、余裕を持って総合2位を確保した。アンカーの山本敦大(3年)は「昨年は3位で県大会出場を逃してしまった。2位になれてまずは安心した。今年はメンバー全員が3年生なので、県大会は悔いのない走りをして、一昨年の先輩たちの成績(19位、1時間06分39秒)を超えることを目指したい」と話した。
県中学駅伝で本市は、昨年は女子が6、7位、男子が6、10位と男女2チームずつが揃って上位に入る県下屈指の実力を見せている。本市の陸上競技レベルは急激に高まってきており、今年は3位以内の表彰台も十分に狙えそうだ。