
転覆した船から乗組員を救助したとして、壱岐海上保安署の小野靖幸署長は12日、郷ノ浦町の遊漁船「OJブラック勘八」船長、吉井計(はかる)さん(58)と東京都在住の慶應義塾大学4年、八代舜太郎さん(23)に感謝状を贈った。
同保安署によると、2人は1月19日、勝本町の辰ノ島北西沖で佐世保市のまき網漁業運搬船「38海悠」が転覆した際、海上保安部に通報するとともに、乗組員3人を救助した。
吉井船長はこの日、辰ノ島の磯場に瀬渡ししていた八代さんを迎えに行く途中、自船から約2㌔先の波間に、傾き黒煙を上げながら航行する38海悠を発見した。事故だった場合、一人での救助は困難と判断して、磯場の八代さんを乗せて現場に急行した。八代さんは吉井船長の指示を受けて海上保安部に通報し、位置情報などを伝えた。
吉井船長が到着した時、すでに38海悠は転覆し、海面に出た船底に乗組員3人がしがみついていた。吉井船長は遊漁船の船首を船底に着けて乗るよう指示すると、乗組員らは自ら乗り込んできた。いずれもけが人はいなかった。
当日は北西の風12㍍で波高は2㍍あり、白波が立つ状況だった。
吉井船長は遊漁船船長歴9年目で、海中転落者の救助をした経験があるという。感謝状を受け、「転覆した船はテレビでしか見たことがなかった。周りにロープとかが散乱していたので気を使いながら寄った。人命救助に役立てて安心した。安全第一で、今まで以上に周囲に気を配り皆さんが安全に楽しんでもらえるようにしたい」と述べた。
大学卒業を前に昨年秋から魚釣りで壱岐に通っているという八代さんは「これまでダイビングもして海には携わってきたが、海難事故の現場は初めてで冷静さを欠いてしまった」と振り返り、「行方不明者がなく無事に助かってよかった。海で釣りをする際には気を付けたい」と話した。









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