イオングループの株式会社ツヴァイ(結婚相手紹介サービス業、長縣厚伸社長、資本金4億5100万円、本社・東京)は13日、財団法人地域ライフプラン協会の「若者ライフデザインに関する調査研究事業」を受諾し、壱岐市で地方創生を「地方活性化」「結婚支援」の両面から取り組むプロジェクト「ミライカレッジ壱岐」を展開していくことを発表した。9、10月に壱岐、東京でセミナーなどを開催。11月には首都圏の独身女性を壱岐に案内する大規模なツアーを計画している。
9月下旬に壱岐市で独身男性向けのワークショップを実施。地域や自分たちの仕事の未来を考え、結婚のイメージを整理。首都圏独身女性向けのPRコンテンツを制作する。10月上旬に壱岐市の選抜チームが東京を訪れ、独身女性に地元PRや、実際の仕事、生活の動画を公開。移住経験者の事例紹介や、首長のトップセールスも行う。11月中旬には体験型交流ツアーを壱岐で実施して、交流を深めるとともに壱岐で暮らすことを実際にイメージしてもらう。
地方創生は少子高齢化・人口減少にストップをかけることが最大のテーマであり、「結婚」はまずその最初のステップとなるが、本市でも未婚化率が年々高まってきている。市人口減少対策会議が実施したアンケートでは、「結婚したいと思わない」理由として「結婚したいと思える相手がいない」が42・9%で1位。離島ならではの出会いの乏しさが大きなネックになっている。
2012年に行われたテレビ番組「もてもてナインティナイン 壱岐の花嫁 お見合い大作戦!」の収録には27人の花嫁候補が壱岐を訪れて、地元男性と集団お見合いを実施。14組のカップルが成立し、そのうち1組は結婚したが、テレビのバラエティ番組ということで真剣味に乏しい参加者もおり、「結婚」という面での成果はいまひとつだった。
市やJAも婚活イベントを実施しているが、なかなか結果には結びついていない。民間の「結婚相手紹介業」はトラブルなどに対して不信感を持つ独身者もいる。
だが同プロジェクトは、流通最大手のイオングループが取り組むことで参加者への信頼性が高く、事前にセミナーなどを開催することで夢ばかりでなく「現実」を詳しく知った上での参加となる。真剣度も高くなるだけに、成婚率の面でも期待が高まる。
同プロジェクトを実施するのは壱岐市のほか、石川・奥能登、山形・庄内の全国3地域。壱岐市を選定した理由についてライフプラン協会は「今回は調査研究事業の第1弾で、今回の成功事例を全国へ広げていくのが目的。壱岐市は合計特殊出生率が全国有数の高さで、結婚・妊娠・出産・子育てに自治体が熱心に取り組み、地域の協力体制が十分にある。今回のプロジェクトで離島というハンデを克服できれば、他の自治体にも大きな参考になると考えた」と話した。「子育てしやすい環境」は今後の壱岐の地方創生に、大きな武器となっていきそうだ。