勝本町出身のボートレーサー下條雄太郎さん(32)とその後援会(品川護郎会長)が15日、壱岐高校(平山啓一校長)と壱岐ジュニアランナーズ(西雪晴代表)に寄付を行った(金額非公表)。盆で本市に帰省していた下條さんが母校の壱岐高校を訪れ、「微力ですが、壱岐の将来を担う生徒、子どもたちが夢を持てるために遣って頂けたら嬉しい」と、平山校長、西代表に贈呈した。下條さんの寄付は昨年、壱岐高校、壱岐商業高校に対して行ったのに続いて2年連続。寄付金の用途は、壱岐高校は昨年に続いてスポーツ・文化活動で功績のあった生徒に卒業式で記念品贈呈を行うほか、2年生の課外活動にも活用する。壱岐ジュニアランナーズはまだ用途を決めていない。
下條さんは平山校長らの質問に対して「ボート界でもそうだが、長崎の子はテクニックでは互角なのに、周囲をあまり見ないで身内だけで固まっている傾向が強い。合宿などで多くの人と出会い、いろいろな考え方に触れさせることが必要ではないか」「離島出身ということで最初からあきらめてしまう子もいるが、壱岐出身でもここまでできるのだということを、私自身が示していきたい」「勝負の勝ち負けは相手がいることなので、ベストの戦いでも負けることがある。だから負けたことを引きずってはいけない。気持ちの切り替えが大切」などと自らの経験からアドバイスを贈った。
下條さんは2005年のデビュー以来、着実に成績を積み上げ、これまで通算12回の優勝。今年はフライングが重なり、5月後半のSGボートレースオールスター以降は出場停止処分を受けていた。だがその処分も解け、28日のBIGFUN平和島杯(東京・平和島)からレースに復帰する。長らく守り続けてきたS級から陥落し、A1級からの再出発になるが「一歩一歩上がっていくことはこれまでと同じ。年末の賞金王決定戦を目標にするのもこれまでと同じ。出場停止をマイナス要素ととらえないで、レースの合間にはできなかったトレーニングをしっかりやることができたと思うようにする。実際、いまはすごく体が軽い。この経験は必ず活かすようにする」と決意を新たにしていた。