© 【公式】壱岐新聞社 All rights reserved.

20161/1

幸福の使者コウノトリ飛来 但馬との友好関係を深める

特別天然記念物のコウノトリ1羽が昨年12月10日から17日まで、市内で観察された。17日には深江田原の水田に飛来。水路のドジョウを捕食する姿や、翼長2㍍近い雄大な姿で飛ぶ姿などが見られた。足環から2015年4月7日に兵庫県豊岡市赤石地区の人工巣塔で誕生したメス0歳の「J0107」と判明。豊岡市は本市と友好提携を結ぶ朝来市に隣接しており、同市もコウノトリ繁殖に力を入れている。壱岐、朝来両市の友好を深める使者の飛来は、16年の両市の明るい未来を予言するようでもあった。
水田で遊ぶコウノトリの脚には、右に黒・緑、左に黄・赤の足環が装着されており、兵庫県立コウノトリの郷公園のデータから、J0107と個体識別ができた。同個体は6月10日に巣立ち、11月14日に山口県宇部市、同18日に福岡県糸島市、12月3日に平戸市で仲間と一緒にいるところが観察されていた。
本市では12月10日に芦辺町で観察されており、8日間にわたって本市に滞在していたようだ。他の個体は観察されておらず、1羽で海を渡ってきた可能性がある。本市でコウノトリが観察されたのは昨年5月以来。13年にも見つかっており、放鳥個体の増加に伴い飛来回数も増えつつある。南下に際し、低農薬などにより環境が良い本市の田畑に立ち寄っているとも考えられる。
同個体は19日には沖縄県豊見城(とみぐすく)市の遊水池で確認された。壱岐から沖縄へほぼ直行したと思われる。豊岡市で放鳥したコウノトリが沖縄で確認されたのは放鳥開始の05年以降初めてで、最南端での目撃となった。
朝来市は09年に人工巣塔を設置し繁殖・放鳥を開始。農薬無使用で環境に配慮した「コウノトリ育むお米」の生産も行っている。
本市と朝来市は、江戸時代中期、但馬地方で起きた農村一揆で捕えられ壱岐へ流罪となった小山弥兵衛が、壱岐の文化発展などに貢献したことをきっかけに、14年2月に「歴史・教育・経済パートナーシップ宣言」、朝来市市制施行10周年の昨年6月に「友好都市提携」を結んだ。
本市からは但馬・食文化まつりへの参加、市民劇団・一支国座の公演など、朝来市からは虹いろ商工祭への参加など、またふるさと納税のお礼の品で相互の名産品を提供するなど、繋がりを深めている。米、牛肉という特産品、アイガモ農法による米作りも共通点だ。
本社が撮影したコウノトリの写真は、市役所から朝来市総務課に送られ、朝来市広報誌1月号に掲載されることになった。この飛来が両市のさらに深い友好関係に繋がっていく。
ヨーロッパでは「赤ん坊はコウノトリのくちばしで運ばれてくる」「コウノトリが住み着いた家には幸福が訪れる」という言い伝えがある。J0107は16年の壱岐市、朝来市にどのような幸福をもたらせてくれるだろうか。
◆コウノトリ生息数 兵庫県立コウノトリの郷公園によると、昨年12月9日現在、確認されている国内の野外にいるコウノトリ(過去1年以内に確認)は繁殖個体77羽、野生個体1羽の計78羽。他に他県からの放鳥4羽がいる。国際自然保護連合の絶滅危惧種に指定されており、全世界でも1千~2500羽程度の生息と考えられている。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

20207/14

江戸文化の生活鮮やか。埋文センターで収蔵展。

県立埋蔵文化財センターのオープン収蔵展「長崎の近世×現代―出土品にみるくらしの今昔―」が3日、一支国博物館1階で始まった。観覧無料で10月1…

20207/14

観光拠点整備へ。遊覧船発着所も移転。勝本浦に埋立計画。

勝本町勝本浦の一部を埋め立てて、新たなまちづくりや観光拠点としての整備を進めていることが、県壱岐振興局と市への取材でわかった。 計画案…

20207/14

あまごころ壱場が閉店。従業員「ありがとうございました」。

あまごころ本舗㈱壱岐支店のあまごころ壱場が6月30日、閉店した。 閉店時間の午後5時に最後の客を見送ると、全従業員が入口前に並び、「あ…

20207/6

給食に県産魚。壱岐は7日にマダイ。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた県産魚の消費拡大を図ろうと、県は6月から学校給食への提供を始め、本市では7日にマダイが提供される予定…

ページ上部へ戻る