社説

最適の決断だった副市長人事

篠原一生市長の最初の仕事である副市長の選任で、中上良二総務部長が副市長に就任した。議員からは「自治基本条例に則り市民と情報を共有すべきで、市民の意見を聞く姿勢が必要だったのではないか」との指摘もあったが、これは無理筋な注文だろう。議会で同意されるかどうか分からない副市長人事案を、議会より先に市民に提案したら副市長候補にも大きな迷惑が掛かるし、何よりも「議会軽視」と騒ぎになりかねない。市長が答弁した通り、機密性を守り、情報漏洩による混乱を防ぐために議決の当日に提案することは妥当な政治判断だった。
副市長人事を巡っては選挙前から様々な憶測をする人が多くいた。「篠原さんならつながりのある民間企業や、福岡市役所などから副市長を連れてくるのではないか」などと噂されていた。だが、市職員として行政経験があるとはいえ市長が新人であるのだから、副市長も外部の人間になったら市政運営に混乱を招くことは容易に想像されることだったし、議会の同意が得られるとも限らなかった。
また篠原市長にとって大きな障壁は、市役所勤務時代に上司や年上だった職員を、今度は部下として指示・指導しなければならない点だったと思われる。記者も以前の新聞社に勤務していた時に、年上の先輩たちに先んじてデスク業務を任されたことがあった。先輩たちは「気にせずに指示してくれ」と言ってはくれたが、やはりやりにくさは大きなものだった。篠原市長は「市役所内に上下関係はなく、奥行きとして捉える」と宣言はしていたものの、不安点があったと想像する。それらの点を考えても、総務部長として各部署をまとめ、市長、副市長の業務を間近に見てきた中上さんを副市長に提案したのは、まさに最適の人事だった。
篠原市長、中上副市長、山口教育長というしっかりとした新体制が構築され、いよいよこれからが篠原市政の腕の見せどころとなる。マスコミとしてしっかり監視しながらも、壱岐の未来のために応援していきたい。

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