社説

食育推進に給食の活用を。

7月31日に長崎市内で、長崎県食育推進県民会議が開催された。社会環境や世帯構造が変化し、食に起因する生活習慣病、食や食文化に関する意識の希薄化、孤食の問題、食品廃棄の増加など、食に関する課題が様々生じている。また食は農業、漁業の地場産業にも直結しているし、観光にも多大な影響を与えている。食育は単に「健全な食生活を実践できる人間を育てる」という本来の意味以上の役割を担っている。

また本年度から県は「健康長寿日本一の長崎県づくり推進事業」に着手しており、この健康長寿を延ばすためにも食は大きな意義を果たすことになる。このため県は平成18年から県食育推進計画を策定し、5年ごとの見直しで現在は第3次計画が進められている。その計画書の中で最初に記されているのが「健康づくりに配慮した食生活」で、その数値目標項目に掲げられているのが「主食、主菜、副菜を組み合わせた食事が1日2回以上の日がほぼ毎日の人の割合」。27年の基礎値が55%で、これを32年までに60%に引き上げることを目標としているが、会議では29年度実績は53・6%で基礎値を下回ったことが報告された。

核家族化が進み、単身者も増えている。長寿化で高齢者の一人暮らしも多い。その中で主菜、副菜のある食事を1日2食する人を6割以上にするという目標を達成することは至難の業だろうが、この点が食育推進の基本になる部分でもある。目標達成のために本市では、市給食センターの有効活用を検討してみてはどうだろうか。児童数が減少を続けており、センターの調理能力には余裕がある。これを若い単身赴任者が多い壱岐振興局や、市職員などの昼食として提供することも可能なはずだ。新長崎県庁の食堂はバランスの取れたランチ、定食が500円で提供されており、県職員だけでなく一般の利用も多かった。壱岐での食堂設置は規模の問題で困難だろうが、給食ならさらに安価で健康的なランチ提供ができるのではないか。

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