第34回長崎県消防操法大会(県、県消防協会主催)が5日、大村市の県消防学校で開催され、小型ポンプの部で本市代表の郷ノ浦地区第7分団2部(長島)が3度目の出場で初優勝を果たし、三島地区へ優勝旗を持ち帰る悲願を達成した。同部門での本市の優勝は日本一になった2012年石田地区第2分団第3小隊以来6年ぶり10度目。今年度は長崎県に全国大会出場権があるポンプ車の部は、これまで大会11連覇を誇り前回(14年)の全国大会王者の芦辺地区第1分団が、惜しくも準優勝に終わり全国大会(10月19日・富山県)への出場権を逃した。両チームは6日に帰島し、壱岐の島ホールで報告会を行った。
2年に1度開催される県大会には、県内各市町から小型ポンプの部に11チーム、ポンプ車の部に15チームが出場した。小型ポンプの郷ノ浦地区第7分団2部はトップでの登場。3大会連続出場で県大会の雰囲気も十二分に知っており、市大会同様に一糸乱れぬ操法を披露。市大会の44秒69を上回る41秒05でまとめ、得点は160・0点をマークした。得点はいずれも準優勝だった前回(16年)の170・5点、前々回(14年)の165・0点を下回ったが、中山好政分団長は「1番目だったので基準点になるため、得点はどうしても厳しく判断されるので仕方がない。操法は練習通りに完璧にできたので、自信はあった」と話した。その後に登場した10チームはいずれもミスが目立ち、2位諫早市に18・5点差をつける圧勝。前回2・0点差、前々回1・5点差及ばずに準優勝で涙を飲んだ雪辱を、大差勝ちで見事に遂げた。中山団長は「壱岐に、そして三島地区に、県大会の優勝旗を持ち帰るのが悲願だった。ようやくそれを実現できたことは、とにかく嬉しい。応援してくれた皆さんのおかげです」と感動の表情を浮かべた。
二次離島の三島地区は、人口減少が続く本市の中でも特に状況が厳しい。本土に働きに出ている団員もおり、操法の練習も思うようにできないこともある。二次離島には消防署員がいないため、火災発生時には団員の責任、役割はより大きく「自分たちの地区は自分たちで守る」という自主防災の意識の高さがこの操法での好成績につながっているが、今後は団員確保もさらに難しくなる。それでも2年後の県大会は全国大会へつながるだけに、「また一歩一歩、前を目指して練習していく」と中山団長は次の目標である全国優勝を心に誓った。
報告会での表情が明暗を分けたのが、ポンプ車の部で準優勝した芦辺地区第1分団のメンバーだった。1線51秒42、2線66秒78と優勝した島原市と比べてタイムはともに上回り、ミスもなかったが、点数は思っていたほど伸びずに189・0点。島原市と7・5点差で2位に終わり、22年間守り続けてきた県王者タイトルを失い、全国大会連覇の夢もついえた。報告会で市消防団・割石賢明団長は「22年間トップを守り続けてきたのは大変なプレッシャーだったと思う。他地区が芦辺の操法を手本に訓練してきて、最新の機材で臨んできた。2年後に再び挑戦してもらいたいし、この訓練で得たものは地域の安全安心につながる」と悔しさをかみ締めながら激励した。他地区は芦辺地区第1分団のビデオを徹底的に研究し、さらに分団単位ではなく若手を多用した市町の選抜チームで臨んできている。今後も強敵はさらに増えてくるが、絶対王者は2年後に必ず巻き返してくるはずだ。