「ナイスボール」「次は正面で捕ってみよう」「ハイ!」―。13日夕方、大谷グラウンドの一角でキャッチボールに汗を流すユニホーム姿があった。今年5月に神戸市で開催された全国身体障害者野球大会に出場した郷ノ浦町の江口愼哉さん(32)=障害区分・療育=と同町出身で広島市在住の内田真人さん(35)=同・下肢=。2人は来年度の全国大会を目指して、9月17日に岡山県倉敷市である予選会に向けて意気込んでいる。
内田さんは高知市の大学出身で「高知ニューフレンズ」に所属。今年の大会では選手が不足する恐れがあったことから、同郷の江口さんに声が掛かり、2人はチームメイトになった。
この日は内田さんが盆休みで帰省したことから練習に繰り出した。内田さんはボールの握り方からバッティングまで丁寧に教える。江口さんは初試合に臨んだ5月から練習するごとに技術を身に付けて急成長中だ。
内田さんは大学生の時に右脚に骨肉腫が見つかり、太ももからすねの上部までの骨と関節を摘出。人工骨と人工関節を装着しており、全力疾走することはできないが、ピッチャーとして江口さんらチームメイトを引っ張る存在となっている。「一つでも勝ちたい。本選に出場できるよう頑張りたい。江口さんはバッティングも良く足が速い。ヒットを打ってくれると思う」と期待を込める。
江口さんは「(内田さんの教え方は)分かりやすくて優しい。自分でもうまくなっている感じがする。大会に向けて頑張りたい」と話した。