社説

物流対策にドローン実証実験を

本市を直撃するかと思われていた台風6号は、進路が逸れたこともあり、本市では大きな被害は出なかった。直撃した五島列島でもそれほど大きな被害は出ておらず、まずは安堵した。だが本格的な台風シーズンはこれからで、市民としてできる範囲で万全の準備を整えておきたい。
その台風6号の影響で、航空路は3日間、航路も丸2日間に渡り欠航し、人流、物流には大きな影響が出た。この台風に2度直撃された沖縄ほどではなかったものの、孤立化してしまう離島の厳しさを痛感した。本来は9日到着、10日配達予定だった壱岐新聞も、12日到着、14日配達とずれ込み、読者にご迷惑をお掛けした。本島に足止めされたり、旅行が中止になった観光客、帰省客もいただろう。
航路、航空路は人間の安全が最優先されるので、天候による欠航は仕方がないことだ。だが物流だけに限れば改善策が考えられるのではないだろうか。ドローンは、いまやすっかり兵器としてニュースで取り上げられるようになってしまったが、現在でも大型機種なら100㌔㌘程度の積載が可能だし、800㌔㌘積載可能な機種も開発が進んでいるという。無人艇ならばさらに大きな積載量が可能になるはずだ。現在は軍事目的での開発かもしれないが、このような技術こそ平和利用されなくてはならない。
物流に関しては、悪天候による欠航だけでなく、間近に「2024年問題」も控えている。トラックドライバーの労働時間制限が設けられることで、運賃の大幅値上げや長距離トラック物流の制限が予想され、例えば壱岐の農水産物を鮮度を保ったまま東京・築地に運ぶことができない事態も考えられる。すぐに解決策はなくても、将来的な対策は講じておく必要はある。
本市でも以前にドローンでの物資輸送の実証実験が行われていたが、その後は聞かれない。まずは渡良~大島間で数㌔㌘積載の輸送実験を行うなど、将来の物流を見越した実証実験に取り組んでいくべきではないか。

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