第21回壱岐ロータリークラブ小学生駅伝大会(6区間6・4㌔=1・6区1・2㌔、2~5区1・0㌔)が1日、筒城浜ジョギングコースで開かれ、市内17小学校から27チームが出場した。
昨年の覇者・渡良Aは1、2走で竹下愛姫(5年)、加勢田莉空(5年)が2位の好位置につけると、3走長門紬(6年)が区間賞で首位に躍り出た。4走の竹下瑛汰郎(5年)は、勝本Aの4走・山口廉斗(6年)の区間新記録の快走に首位を譲ったものの、5走の山口友愛(6年)が再び首位を奪い返して、2位勝本Aに11秒差でアンカーの大島拓人(6年)にタスキをつないだ。
大島は何度も後ろを振り返って、勝本A・原田悠希(6年)との差を確かめながら勝負に徹し、約5秒差で最後の芝コース200㍍に入った。原田も必死に追いかけて3秒差まで迫ったが、大島は最後まで抜かせずに万歳ポーズでゴールテープを切った。大島は区間2位の記録で、トータル22分03秒、昨年の総合記録を2秒上回り、チームに2年連続5度目の栄冠をもたらした。
ゴール後は倒れ込んだまましばらく動けないほど全力を出し切った大島は「原田君が速いのは判っていたので、無理をしないでスタミナを温存した。昨年、3人抜きで優勝したアンカーの日髙湊之助さんに『1㌔までは自分のペースで走って、最後に賭けろ』とアドバイスをもらっていたので、最後の芝コースに入った時に、勝てると思った。2連覇がかかっていたし、首位でタスキを受けて、先輩やみんなの思いをタスキの重さに感じて走った。絶対に抜かされないぞ、という気持ちで走ったので、100点満点の走りだったと思う」と振り返った。
渡良Aは区間賞こそ4区の山口だけだったが、全員が安定した力を発揮して、一度も3番手以下になることなく、6区間を走り切った。また渡良Bチームも総合5位に食い込み、2区日髙湊人(5年)、4区野田絢斗(6年)はAチーム選手を上回る記録をマーク。学校全体の長距離走に対しての取り組みが、小学生駅伝で見事な結果を出し続けている要因となっている。
2位勝本Aも見事な走りを見せた。2区小西桜ノ介(6年)、4区山口、6区原田と3人が区間賞で、昨年の3位から順位を上げ、総合タイムも1秒縮めた。4人抜きで区間新の山口は右手甲に大久保麻由美監督が書いた「区間新!」の文字を励みにして、見事に目標を達成した。山口は「1区を走った篠﨑柚陽さん(6年)が直前まで体調を崩していて練習不足だったのに必死に走っているのを見て、自分も頑張らなくてはいけないと強く思った。1秒でも縮めて5区にタスキを渡すことだけを考えて走った」と昨年に続いての4区の区間賞、タイムも7秒縮めて、1年間の練習の成果を見せた。
アンカー原田はゴール後、悔し涙が止まらないながら「最初からもっと飛ばしていれば追いつけたのかもしれないが、自分の実力が足りなかった。優勝したかった」と気丈に話した。それでも昨年に続いてチームのアンカー抜擢に応え、タイムを5秒縮める区間賞の走りを見せた。