勝本町のホテル・壱岐リトリート海里村上(旧海里村上)が17日、リブランドオープンした。
オープンを前に16日、報道機関向け内覧会を開き、奥村洋行総支配人(42)が館内を説明。「壱岐を愛する人になろうと思った。宿の運営で壱岐に貢献していきたい。人と人がつながり、最終的に移住してしまうというのが目標」と説明した。
部屋は全室オーシャンビューの源泉露天風呂付きで、湯ノ本湾の夕日や漁火の景色が広がる。提供する料理、飲み物、菓子類などは主に壱岐産品を使用。スタッフ29人のうち6割が地元採用としている。宿泊客に魚釣りを手ほどきできるようスタッフには“釣り休憩タイム”を設け、魚釣りの技術も磨いている。
また壱岐市が推進するSDGsにも配慮し、レンタカーは電気自動車にした。また、これまで処分されてきた温泉が結晶化してできる「湯の華」は、粉末にして陶器の素材として再利用し、陶芸体験のアクティビティにしている。正面玄関脇には飲泉所も作った。
運営会社の株式会社温故知新(東京都)の松山知樹代表取締役は「温泉を目的に訪れてもいいほどの温泉。景色、温泉、料理の3つがそろうのは全国にもなかなかない」と壱岐の魅力を語った。
同ホテルは1995年、ユートピアランドひらやまとして開業。2018年から株式会社温故知新が運営している。昨年7月にスパや鉄板焼きダイニングなどを新設。今年1月から全15室を12室(収容人数57人)にし、4月にオープンする予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け営業を見合わせていた。
昨年12月に世界のデザイナーズホテルを厳選した「デザインホテルズ」に加盟。ミシュランガイド福岡・佐賀・長崎特別版では日本の離島で唯一の5パビリオンを獲得している。