第18回壱岐ロータリークラブ小学生駅伝大会が4日、筒城浜ジョギングコースで開催され、市内18校から26チームが出場した。
今年3月に1周1000㍍のゴムチップ舗装コースが完成したことで、今年からコースを変更。1、6区は芝生区間200㍍を含む1・2㌔、3~5区はゴムチップ舗装コース1・0㌔となった。
気象コンディションは気温15・8℃、風速3・8㍍。スタート直後から雨が降り出し、レース後半はかなり強い降雨の中で行われた。
女子の精鋭が揃った1区は、田河A・田中咲蘭(6年)が圧倒的な強さを見せた。芝生部分のスタートから思い切り飛び出すと、後続との差を広げる一方。走り幅跳びで全国小学生陸上に出場した盈科A・長岡幸奈(6年)に13秒差をつける3分55秒で、2区以降に大きなアドバンテージをもたらせた。1・2㌔コースで4分を切ったのは男子の6区でも1人だけで、田中の中長距離での能力の高さを遺憾なく発揮した。
だが2区以降は大混戦になった。選手層の厚い渡良A、盈科A、勝本Aなどがその差を徐々に詰め、3区で盈科A・田崎小春(6年)が首位に立ち、4区は勝本A・坂口空(6年)が先頭に。さらに5区は盈科A・山内菜々子(6年)がトップを奪い返し、アンカーに襷(たすき)が渡った。
盈科Aのアンカー・小山征吾(6年)がスタートしてから14秒後、3番手で襷を受けたのが渡良A・竹下紘夢(5年)。全国小学生陸上5年百㍍で全国4位の記録を持つスプリンターだが、昨年のこの大会では4年生ながら4区(0・9㌔)で2分43秒の区間新記録をマークしたように、中長距離でも高い能力を示している渡良Aの絶対的なエースだ。
竹下はスタートしてすぐに3秒先にスタートしていた勝本Aを抜き2番手に進出。8百㍍地点で逃げる盈科A・小山を捉えてトップに躍り出た。だが小山も決してあきらめない。芝生コースに入った残り2百㍍で竹下のすぐ後ろにピッタリと付き、激しいデッドヒートを繰り広げた。
ゴールテープは竹下がわずか1㍍、1秒差で1番ポーズを決めながら切り、渡良Aに2年連続3度目の優勝旗をもたらせた。竹下は「連続優勝ができたことが何よりも嬉しい。14秒差があったが、絶対に抜けると信じて、落ち着いて走った。先頭に立ってからも盈科Aがずっと後ろに付いていたので、いつ抜き返されるかと思い、必死に走った」とチームの優勝に安どの表情を浮かべた。
渡良Aは区間賞こそ6区竹下だけだったが、1~5区の各選手の区間順位は8、4、4、3、3位と全選手の総合力の高さが連覇の大きな要因になった。
準優勝の盈科A・小山は「みんなが先頭で襷をつないでくれたのに悔しい」と涙を流したが、区間2位の4分01秒は3位に7秒差の立派な記録。絶対にあきらめない姿勢を見せつける名勝負だった。
【区間賞】▽1区 田中咲蘭(田河A)3分55秒▽2区 立川聖(志原)3分17秒▽3区 田崎小春(盈科A)、土肥さくら(勝本A)3分33秒▽4区 坂口空(勝本A)3分24秒▽5区 山内菜々子(盈科A)3分34秒▽6区 竹下紘夢(渡良A)3分46秒