社説

社説・カジノ法案めぐる論争に違和感

国会がカジノを中心とする総合型リゾート(IR)推進法案の採決で紛糾している。8日に参院内閣委で審議に入り、自民党は9日の成立を目指していたが、民進党の反対で断念。会期末の14日に成立するかどうか、攻防が続いている。
総合型リゾート計画がない本市には直接的な関係のない法案だが、長崎県ではハウステンボスが誘致に手を挙げているだけに、同リゾートに大量の外国人観光客が訪日するようになれば、インバウンド誘客に恩恵があるかもしれない。遺跡・古墳、神社は、しっかりと整備されれば外国人富裕層にも魅力的な観光地となり得る。
この国会での議論や新聞・テレビでの報道を見ていて、違和感を感じる部分がある。「カジノはギャンブル依存症を増大させる。短い審議期間でその対策ができるのか」という民進党議員、テレビのコメンテイター、新聞記者の論点に対してだ。
反対意見があるのは当然で、ギャンブルに対して嫌悪感を持っている人が多いことも、ギャンブル依存症が家庭崩壊などにつながっていることも理解している。
だがギャンブル依存症の問題は、今後のカジノ導入とは別に論じなければならない問題ではないか。日本にはすでに競馬、競輪、競艇、オートレースの公営ギャンブル、宝くじやサッカーくじ、そして遊戯という名の実質は賭博であるパチンコと、あらゆるギャンブルが行われている。ギャンブル依存症を理由にカジノに反対するのであれば、これらすべてのギャンブルの廃止を主張するのが先のはずだが、誰もそこには触れていない。
「カジノ法案成立を急ぐのは利権が絡んでいる」との意見もあるが、現在あるギャンブルはいずれも各省庁の利権の上に成り立っているとも言える。公益性を高めるのならパチンコ、カジノも売り上げの一部を国庫納付金で徴収すればいい。
競馬記者歴30年の私としては、ギャンブルと楽しく付き合っていく方法を伝えていきたい。

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