社説

社説・「やるじゃないか、壱岐市」

5年前に本市に移住してきた時、行政に感じた不満は「フットワークの重さ」だった。以前住んでいた札幌市は200万人近い人口を抱える大都市だったので、国と同じで1つの施策の実現にはとてつもなく長い時間が掛かっていた。人口3万人にも満たない壱岐市ならもっとスピーディな動きがあるのでは、と期待していたのだが、そのスピード感は札幌市とそれほど変わらないものだった。
だがそれが、着実に変化しつつあることをいま感じている。例えば、この社説で指摘した市民の不満点が、すぐに解消されているのだ。今年1月に指摘した筒城浜海水浴場の素晴らしい景観を損ねるように建てられたトイレの看板は、いまはもう撤去されている。海水浴シーズンには再び設置される予定だが、それならばほぼ問題ない。経費をかけて一度設置した看板を撤去するというのは、行政の実態を多少知っていたら、簡単ではないことは容易に想像がつく。これだけ素早い対応は英断だ。
4月に指摘したリニューアルしたホームページの不備も、瞬く間に修正が施された。勝本庁舎の代表電話番号と位置図は、正しい表記になっている。写真の少なさも「壱岐市の風景」として4枚の写真が加わり、「壱岐市の『いまフォト』」も頻繁に更新がされている。期待通りに、ホームページは「成長」を遂げている。「なかなか、やるじゃないか、壱岐市!!」と普段は文句の多い新聞記者でもつい称賛したくなる。
先日、国境離島島民割引カードの発行に市庁舎を訪れた。大半の市民が必要とするカードだけに、申請から発行までどれだけ待たされるかと心配していたが、会議室に受付・待合場所を設置し、わずか10分ほどで発行が終了。拍子抜けするほどの速さだった。心配していた顔写真も、市職員がデジカメで撮影し、無料でプリントするサービスが行われていた。
この市民に寄り添った行政の姿勢を、今後も是非続けてもらいたいものである。

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