市議会定例会9月会議の一般質問で、山内豊議員が「eスポーツ」に関しての質問をした。「市として取り組む可能性はあるか」「ネット環境を活かして合宿誘致を行っては」などの提言に、市教委はeスポーツが認知されてきていることは認めながらも「eスポーツをスポーツとして認知すべきか全国で議論されている」「ゲーム依存に陥る可能性がある」などの観点から、市として取り組む考えが現時点ではないことを示した。これは納得できる説明だったと思う。
だが企画振興部が合宿誘致などに対して「eスポーツでは通信速度が重要視されるが、現在の通信速度は多くの人が使用すると遅くなり、合宿を行うのは難しい」と回答したことには大きな疑問を感じた。確かにいまの通信速度でeスポーツを行うことは難しい。特に回線利用者が増加する夕方~夜間は極端に速度が落ちている。だが、まだ振興に着手していないeスポーツはともかくとして、インドIT企業の誘致や逆参勤交代でのテレワーク推進にこれだけ力を入れているのに「通信速度の改善には多額の費用を要するので難しい」などと弁明していたら、市の振興の目玉を否定することにもなりかねない。現在の状況ではビデオ通話スカイプでのテレビ会議もスムーズに行うことはできないだろう。
世界的にはモバイル回線の5G時代到来が告げられているが、実際にどれだけの速度が出るのか未知数な部分があるし、壱岐にいつ基地局が設置されるのかもまったく判らない。料金や通信料の上限もかなり厳しい設定になるだろう。壱岐としては46億円の巨額を投じて敷設した光回線を最大限に活用していくことが最善の策だ。通信速度の改善について、白川博一市長は「指定管理者が関西ブロードバンドから光ネットワークに変更されることを機に、積極的に取り組む」と約束した。その改善策に大いに期待したいし、市庁舎をはじめ市内の多くの施設でフリーWi‐Fiが接続できる環境整備も求めたい。