芦辺町のダイエー壱岐店近くにおそらく初めてであろうカレー専門店が2月にオープンした。店名は「Bindi」。スパイシーカレーを売りとしている店だ。 北九州出身者としては馴染みがあるし、若い頃から食べていたので非常に懐かしい。なぜかというとこのカレーは北九州に本店がある「あんくるカレー」のチェーン店だからだ。 あんくる株式会社の嶋本淳一氏は大病したのをきっかけに、「健康は口に入れるものから」を合言葉に、安全で美味しく健康を考えた食事で、安く提供することが出来る食材を模索。約1年に渡る試行錯誤の結果、ターメリックやコリアンダー、フェンネルなど約30種類のスパイスを使用した、無添加の“薬膳カレー”を開発した。 あんくるカレーは1997年、北九州市立大学(福岡県北九州市)前に開業。厳選された素材の旨味と栄養価を十分に生かした手作りの薬膳カレーは、学生に腹いっぱい食べさせたいとの想いから、当初300円という破格値で提供し、当時の話題となっている(現在390円・普通盛)。 同氏は「フランチャイズ展開よりも全国各地の産物を活かした、カレーを使った商品開発に力を入れている」といい、障害者施設でカレーを生産することで、独自商品を開発。雇用に繋がるような仕組み作りにも取り組んでいる。 3月9日から2日間、“九州を東洋一のオリーブアイランドにすること!”を目標にしている、一般社団法人九州オリーブ普及協会(福岡市中央区)主催のKOAオリーブ大学に参加する機会があった。同大学は九州でのオリーブ栽培育成事業の一環としてオリーブ栽培技術者の育成を行っており、約30人の受講生が参加した。 同大学の中で、オリーブカレーの試食会があった。オリーブオイルを搾った後の果実かすを利用したヘルシーなカレーを目指し、同協会が開発しているものだ。その発案者があんくるカレーの嶋本氏だった。 同氏は「食材で捨てられてしまうものでもカレーの具材や味つけに使えるものはたくさんある」と話していた。壱岐島のオリジナル商品の開発はこういうところに隠れているのかも知れない。