お盆期間中、フェリーターミナルなどで、帰省客らにふるさと納税の協力を求めるキャンペーン活動が行われた。ふるさと納税は自治体により賛否があるものの、政府は来年度からは制度改革を計画するなど拡大傾向を見せている。
その流れを加速させているのが、平戸市の成功だ。昨年8月からお礼商品のカタログ制を導入。今年6月にはカタログ掲載商品をそれまでの3倍増となる83品に拡大し、クレジットカードでの決済も可能にした。
この取り組みが8月1日放送のTBS系バラエティ番組「中居正広の金曜日のスマたちへ」で取り上げられると、ホームページへアクセスが集中してサーバーが一時ダウンするほどの反響。今年度の寄付額は13日に早くも2億円を突破。年間600万円台の壱岐市とはケタ違いな状況となっている。
壱岐市も負けじと、9月からはカタログ方式の導入を目指している。1万円の寄付に対して5千円程度相当のお礼を行ったとしても市として税収が増える。しかも壱岐市の特産品を全国にPRしたり、壱岐観光に興味をもってもらうきっかけとなる効果も期待できるのだから、たとえ平戸市のマネであっても、積極的に取り組んでいくべきだとは思う。
だが同じようなことをやっていても、もう平戸市のような注目を浴びることはない。ここからが市職員のアイデア勝負となる。壱岐市は寄付金の活用方法にこだわってみてはどうだろうか。
北海道帯広市は世界で唯一の競馬である「ばんえい競馬」の存続のためだけに活用することを表明して、多くの寄付金を集めている。「重種馬を救う」というキャッチフレーズはインパクトが大きかった。
壱岐市なら「遺跡発掘に活用して、発掘された遺物の写真、情報をいち早く寄付者に伝える」とか、「海岸清掃に活用して、寄付者にはその海岸で拾った貝殻を贈る」などお礼以外のサービスを付加して、寄付し甲斐がある活用方法を考案するのも一つの手だ。