社説

県と市との障壁解消を

3月30日に開かれた壱岐市総合教育会議で「いきっこ留学制度」について協議が行われた。離島留学をしていた壱岐高校の生徒が死亡する事案があったことを受けて急きょ開かれたもので、中身はまだ十分に練られていなかったとはいえ、公開でのこれだけ迅速な対応はこれまでの市、市教育委員会には見られない姿勢だった。
その協議内容について、大きな事案が発生しているのに不十分ではないかと考える市民もいるだろうが、壱岐高校は県立であり、離島留学制度やその里親などを含めて、高校教育については県教育委員会の管轄にある。今回の事案では、この高校生を預かっていた里親宅の他のいきっこ留学生(小中学生)への聞き取り調査を、壱岐署、児童相談所が行っていたが、その内容について市と情報共有が行われていない。
壱岐署は長崎県警本部(県)の管轄である。児童相談所は県内では長崎市、佐世保市の2か所にあり、長崎市、島原市、諫早市、大村市、五島市、西海市、雲仙市、南島原市、長与町、時津町、新上五島町はそれぞれの市町の管轄になっているが、本市を含むその他の市町は佐世保こども・女性・障がい者支援センターでの対応となっている。県の判断が下されるまで、市が独自で対応していくのは難しい状況なのだ。
だが、そのような縦割り行政が良いはずはない。一刻も早く国、県、市が協力し合って対応しなければ、問題を根本的に解決することは難しい。
3月31日告示の長崎県議会議員選挙で、壱岐市区は無投票で現職の鵜瀬和博さんが当選した。鵜瀬さんは昨年7月の補選で当選以降、「壱岐市と県、国を繋いでいくのが私の役割」として、まずは県に壱岐市の実態を知ってもらう活動を続けている。今回の高校生の死亡事案も、新型コロナの感染者数発表、民間認定こども園などの問題も、県と市との間の障壁が市民生活に不安をもたらしている。2期目を迎える鵜瀬議員には、その障壁解消の取り組みを期待したい。

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