
原の辻遺跡の国特別史跡指定25周年記念・特別企画展「時空を翔ける 弥生のミステリー展」(市主催)が原の辻ガイダンスで開かれている。観覧無料で今月30日まで。
長崎ピース文化祭の一環。船と龍に着目し、壱岐と交流があった大阪と岡山の土器など58点(レプリカ含む)を展示している。
原の辻遺跡では、弥生時代中期頃に造られた日本最古の船着き場跡が見つかっている。当時としては高度な土木技術「敷粗朶工法」(しきそだこうほう)が用いられているが、岡山県倉敷市の上東遺跡(弥生時代後期~古墳時代初頭)でも船を係留した波止場状遺構が同じ工法で作られていることが分かっており、技術の伝搬、交流を物語っている。
同展では、その倉敷市の城遺跡で出土した船を漕ぐ様子が彫られている船線紋絵画土器2点の実物を展示している。
また、カラカミ遺跡(勝本町)と船橋遺跡(大阪府柏原市)で出土した龍が描かれた龍線刻画土器も展示。架空の生き物である龍が中国大陸から壱岐、そして関西方面へ伝わっていることを示す貴重な資料という。
このほか、機能を追求してシンプルな造りの壱岐の土器と、様々な文様が施された関西の土器との違いや、顔が彫られた土器などが見どころとなっている。
市文化スポーツ振興課文化財班の松見裕二課長補佐は「インターネットも電話もない時代に弥生人がどうやって違う地域と交流し文化が広まっていたのか、思いを馳せてもらえれば」と話している。




























