市磯焼け対策協議会が実施しているイスズミ捕獲員(イスズミハンター)による捕獲で、昨年度は7984匹の捕獲に成功したことがわかった。そのほかの事業でも2634匹捕獲され、合わせると捕獲数は1万618匹に上った。ハンターによる捕獲は、前年度の2026匹に比べ約4倍に増えている。
同協議会は、海水温の上昇や魚などによる食害で海中の藻場が減る「磯焼け」を防ぐ目的で、令和2年度に市、壱岐振興局、5漁協で発足。漁業者にイスズミ捕獲員を募集し、昨年度は67人の捕獲員で取り組んでいた。
捕獲は消波ブロック周辺などに刺し網を設置する方法で行われ、中には5㌔に及ぶ大型もいた。イスズミのほか、同じく海藻を食べるアイゴも9641㌔捕獲したという。
市は令和元年度から定置網などにかかったイスズミを1匹150~200円で買い取り、初年度は5194匹、2年目は1643匹を捕獲。一昨年度から始まったイスズミハンターによる捕獲を加えると3年間で1万9481匹を駆除したことになる。
イスズミは1日あたり体重の約5%の海藻を食べるとされ、3㌔の個体が低水温期を除く年間300日海藻を食べたとすると、3年間の捕獲により約870㌧の海藻を食害から守ったことになる。昨年夏には、郷ノ浦町の三島周辺海域と嫦娥島からツインズビーチまでの海岸一帯で、ホンダワラ類の海藻「ヨレモク」が繁茂しているのが見つかり、アオリイカが産卵するなど、藻場回復の一定の成果が見られている。
同課は「藻場に一定の効果が出ている。緩めずに続けていき、食圧(魚による食害)を下げることで藻場回復に繋げていきたい」としている。