社説

社説・災害時のマスコミの役割は

日が経つにつれて、九州北部豪雨の被害の詳細が明らかになり、改めてその自然の猛威に震撼させられる。災害から2週間近くが経過しても、テレビではニュース映像が流れ続けている。
災害時のマスコミ報道に関しては批判が多い。報道ヘリの飛行が被災者の救出の妨げになることなどは論外だが、途方に暮れている被災者に対してのインタビューや避難所の撮影など、人道的な配慮が欠けていると思われることもある。
倒壊した家屋などが映されているが、事件・事故報道とはいえ、私有物を許可なく撮影し、放映・掲載することはプライバシー面からも微妙な問題だし、被災者の心情を考えればインタビューにも細心の注意が必要だ。
壱岐で記録的な豪雨となった先月末、今月6日は、報道ヘリが本市上空を何度も往復した。「どこかにひどい災害場所はないのか」と探し続けている様子を見ていると、他人の不幸をいち早く見つけてスクープしたいマスコミ根性が垣間見えて気分が悪くなる。新聞記者の私でさえそう思うのだから、一般の市民はなおさらだろう。
だが一方で、本市の豪雨の様子が報じられると、SNSなどを通じてじつに多くの人たちから心配の言葉を頂いた。友人、知人の優しい気持ちに触れることができ、嬉しくなったものだ。
被害が大きかった福岡県朝倉市、大分県日田市などへは、全国から災害復旧ボランティアが多く集まっているし、義援金の募集も始まっている。激甚災害に指定されれば災害復旧への財政援助も受けられるが、指定への動きは被害状況が詳細に報道されることも影響しているだろう。
また災害現場の悲惨さを知ることにより、他の自治体はより防災に力を入れるようになるという効果、被害の抑止力を担う役割もある。朝倉市ではため池の決壊が被害を拡大したことを知り、ため池の管理方法を見直す自治体もあるだろう。
改めてマスコミの意義を考え直した、今回の豪雨災害だった。

関連記事

  1. ホタル観光に本格的な着手を
  2. 歴史を学ぶ、郷土学習の必要性
  3. 島基準という取組み
  4. 専門のスポーツ課設置を
  5. 23年本市の転出超過は221人
  6. いきっこ留学はシビアな判断を
  7. 社説・地検判断前の政倫審は必要か
  8. 社説・壱岐全体を考えた「地元愛」を

おすすめ記事

  1. 児童描いた似顔絵入りのカレンダー 志原地区、敬老の日に配布
  2. 長島、原島からの避難も 県内4市で原子力防災訓練
  3. 「のるーと壱岐」実証運行を開始 6日に市民が石田~品川病院で利用 完全予約制 デマンド交通

歴史・自然

PAGE TOP