壱岐市は10日に「壱岐市まち・ひと・しごと創生会議」を設置した。10月末までに人口ビジョン・総合戦略策定するため、22人のメンバーが会議を重ねていく。
地方創生はあらゆる分野に関連するため、それをまとめるのは大変な作業だと思われるが、委員は「産官学金労言」を網羅し、それぞれの組織のトップが集結した印象を受ける。「実効力」を考えればベストと言えるメンバー構成なのだろう。
だが政府は「まち・ひと・しごと創生は地方の知恵比べ」と明言しているように、他の地域が考えない独創的な発想も要求されている。その意味で市創生会議では、実際に子育てに苦労している人や不安を抱いている人、結婚・住宅問題に悩んでいる人、高校卒業後に島内で就職した人・しなかった人、UIターンをして来た人などの「現場の声」、壱岐の未来を担う若い世代の声を吸い上げることが、まず第一なのではないだろうか。
もちろん委員は、この会議の内容を自らが所属する団体に持ち帰り、現場の声をフィードバックさせる作業を行っていくのだろうが、その声を別の業種・団体の人が直接聞かなければ、なかなか生きた論議にはつながらない。「独自のアイデア」は、いままで通りのやり方では浮かんでこないものだ。各団体トップに起死回生のアイデアがあったら、もうすでに壱岐は変わっていたのではないだろうか。
市はホームページ上で「『地方創生』のアイデアを募集します!」と呼び掛けている。広く意見を募ることは重要だとは思う。だがまったくの無償で素晴らしい「アイデア」「企画」を提供する人が、果たしてどれだけいるのだろうか。
世の中には様々な「アイデア募集」があるが、バラエティ番組でほんの数秒間使用される「ネタ」でさえ、採用されれば数万円の報酬が受けられる。「情報」は商品であり、無料のものではない。各種会議の委員に日当があるように、地方創生に直結するアイデアに対しては、百万円規模の報酬を用意しても、壱岐市にとって決して損ではないはずだ。