社説

新しい形の「市民対話会」を

壱岐なみらい創りプロジェクト対話会2024年度第0回が15日、壱岐の島ホールで開かれた。当初登壇を予定していた山本啓介参議は家庭の事情で欠席となったが、大石賢吾知事、鵜瀬和博県議、篠原一生市長がテーマに沿って討論するという機会は貴重なものだった。会場はほぼ満杯だったが、できれば大ホールを使用してもっと多くの市民に参加して欲しかった。
今回は第0回ということで通常の対話会とは違い参加者がトークする形ではなく、会場からの質問も1問を受け付けただけだったが、それでも予定時間を30分も超え1時間半に及んだ。大石知事らのスケジュールもあったのだろうが、せっかく知事、市長、県議が揃ったのだから、3人とじっくり対話をしたい市民も多くいただろう。希少な機会だけにその点は残念だった。
これまで対話会を何度も取材してきた。市民の考えが市政に生かされるという発想は素晴らしいものだとは思う。市は「対話会から74のアイデアが実現した」と成果を強調している。だがその実現したアイデアは、対話会に参加している「関係者」が実質的には誘導していたものも多くあった。「テレワークセンターを作る」「観光名所ラッピングバス」などがその例だ。
子どもたちもSDGs授業や対話会でアイデアを出しているが、大人に褒めてもらえる、認めてもらえるような、やや優等生的な発想も感じられ、「子どもならでは」の大胆な視点が不足している印象も受けた。
篠原市長は、自身が発足に関わったこの対話会を「市民の声を聞く政治」の最重要項目に掲げており、参加者の固定化から脱却を図るためのアップデートを検討している。だが現在のように1つの場所に集まり、グループ分けし、ポストイットなどを用いて意見を収集する企業研修のような形では、なかなか市民の「小さな声」を吸い上げることは難しいのではないか。ITも活用した定期的な全市民アンケートなども検討してもらいたい。

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