沼津小学校(田中智司校長、41人)で13日、卒業生を招いて将来に向けた生き方など学ぶ「ふるさと教育・ようこそ先輩」があり、わか葉動物病院院長の獣医師、本多賀子さん(46)が全校児童を前に獣医師を目指したきっかけなどを話した。
本多さんは小学生時代、友達と学校から帰っていた時、後ろ脚が動かない子猫を見つけて、周囲に内緒にして防空壕跡で数日飼ったことがあった。結局、猫は数日後にいなくなったが、「(獣医師になれば)もしかしたら治せるのかもしれない」と獣医師を目指すようになった。
講話では、その思い出や動物病院で実際に撮影したレントゲン写真を映しながら犬や猫の体の仕組みを説明。また、小学校の算数で習う計算式でできる点滴液や抗生物質を作る方法も教え、「小学校の時に頑張って覚えていかないと、大人になった時にあれっとなります」と学習の大切さを話した。
また、手術の時に着る医療用ガウンを児童に着せたりして、獣医の仕事を紹介した。
本多さんは最後に、夢を持つこと、努力すること、夢はきっと叶うと信じることの3点を強調。「先生や両親、家族の協力もあって夢を叶えることができた。夢を言うのは恥ずかしいかもしれないけど、自分がやりたいことを友達や親に言えば縁があってやりたいことがやってきてくれるかも。待っているだけではなくて努力をして夢に向かっていってほしい」と子どもたちに伝えた。
獣医師を目指している清水愛栞さん(6年)は、以前から知り合いだった本多さんを見て、獣医師になる夢を持った。講話を聴き、「とても勉強になりました。獣医師になってケガを負った動物を助けたいです。動物の本を読んで知識を深めたい」と目を輝かせた。