柳田小・地区民合同運動会が25日、同校運動場で開かれ、今年4月に約40年の歴史に幕を閉じた「壱岐国牛まつり」の仮装行列が登場した。
同まつりは、牛神が合祀されている同地区牛方触の津神社(牛方触)の伝統行事。寛文12年(1672年)に牛の疫病が流行した際、疫病退散の祈祷が行われたことが由来で、昭和30年代に道路竣工を記念して地元青年会が初めて開き、一時途絶えるも同62年から復活。近年まで春の恒例行事として親しまれてきたが、保存会会員の減少と高齢化に伴い、仮装行列は休止となり、まつりも今年を最後に終了した。
今回は同校創立150周年を記念して運動会を盛り上げようと特別参加。牛の張りぼてを先頭に、七福神など約50人の仮装行列が餅を撒きながらグラウンドを一周した。
元同まつり保存会会員で、牛方触公民館長の土谷俊康さん(66)は約30年前、青年会時代に仲間と作った仮装衣装に感慨深げ。「夜遅くまで青年会が集まって作ったいい思い出」と懐かしみ、「柳田小に50年以上前にお世話になっており、150周年は感慨深く、牛まつりとして参加できてよかった。久しぶりに皆と一緒に地元の方に見ていただけてよかった」と話した。
昭和62年にまつりを復活させようと奮闘した牛方触青年会の深見茂嗣さん(故人)の息子、哲さん(41)は天女の仮装をして参加。「自宅に、父が町娘に仮装した写真が残っており、父と同じ女性の仮装をしました。巡り巡って子どもや孫たちが復活してほしい」と話した。