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ケーブルテレビ移行が合意。ID・パスワードなど変更なし(但し、利用者は同意書提出が必要)。

混迷していた市ケーブルテレビ施設指定管理者の移行問題について市は15日、現指定管理者の関西ブロードバンド株式会社(神戸市、三須久社長)との間で11日に協議が整い、合意書を交わしたことを、市議会全員協議会に説明し、その後に白川博一市長らが西部開発総合センターで記者会見を行った。この合意により、新指定管理者の光ネットワーク株式会社(熊本県、陶山和浩社長)に移行する来年4月1日以降も、利用者は設定変更なしに、現在利用しているインターネット接続ID・パスワード、メールアドレス、IP電話番号のまま、利用を継続できることになった。

記者会見で白川市長は「引き継ぎに関してこれまで市民に大変心配をお掛けし、申し訳なかった」と謝罪した後、「新指定管理者と市はこれまで個人情報取り扱いと通信の秘密に関わる部分で相互の主張が折り合わず、引継ぎ開始の合意に至らなかったが、10月11日に市ケーブルテレビ施設の指定管理に関する協定書に基づき、現指定管理者と市の間で合意書を交わした。今後は引き継ぎ作業に入り、来年4月1日から新指定管理者に移行する」と報告した。

市民が最も心配していたのは、指定管理者移行に伴い、ID・パスワード、メールアドレス、IP電話番号が変更され、パソコン、ルーターの設定をやり直す必要が生じることだった。変更作業はIT機器に精通した利用者でなければ個人で行うことが難しく、慣れていない高齢者は業者に依頼する必要があり、変更した場合はその後にメールアドレス、電話番号変更を相手に通知する手間がかかるなどの不安もあった。

だが白川市長は「今回の合意により、すべて現在のままの状態でテレビ、パソコン、メール、電話を使用できるようになった。利用料金は変更ないし、新たな手数料も発生しない。家庭を訪問しての工事も必要ない。ただ唯一、今後も個人情報を安全に管理していくために、現指定管理者から今月末までに通信の秘密の継承に関する『同意書』の葉書が送られてくるので、『同意する』欄にチェックを入れて返送して頂く必要がある。返送がないとサービスが停止されることになる」と説明した。また、移行初日となる来年4月1日未明には、上位インターネット回線の切り替え作業を行うため、1~2時間程度、通信が止まることが考えられており、詳細な時間帯は事前に周知する。

移行手続きが順調に進まなかったことで、市は今年3月会議で現指定管理者の指定管理期間を1年間延長し、新指定管理者との契約を1年遅らせて2020年4月からとする議案を提出。さらに6月会議で新指定管理者が利用予定だったインターネット回線使用料約3362万円の補正予算案、8月会議で市ケーブル施設再構築事業に6億7230万円の補正予算案を上程し、可決している。

合意により、再構築のための仮施設設置と代替モバイルルーター購入の約2億1千万円などは必要なくなったが、白川市長は「現指定管理者が購入した機材や構築した個人情報ネットワークの譲渡などでいくらかの対価を支払う必要があり、再構築事業の減額補正も含めて12月会議に上程する。合意書の内容、譲渡に関わる対価に関しては、まだ予算を組んでおらず、議会上程時に説明する」と話した。

新指定管理者に移行することによる利用者のメリットとして、市政策企画課担当者は「帯域を拡張することで、通信速度の改善が期待できる。また新サービスとして1ギガ接続サービスが提供され(これまでは30メガか100メガ)、ヘビーユーザーに選択肢が広がる」ことなどを説明した。

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