市は18日、どうぶつ基金(兵庫県芦屋市、佐上邦久理事長)とエンゲージメントパートナー協定を締結した。今後、飼い主のいない猫等の繁殖抑制などに連携して取り組む。
壱岐市は2022年7月から同基金が発行する「無料チケット」を使って野良猫の不妊去勢手術に取り組んできた。昨年9月には同基金に獣医師の派遣を要請し、野良猫や多頭飼育等の猫に不妊去勢手術を実施。さらに島内の猫全てに不妊去勢手術をするために12月からは「イキイキさくらねこTNR大作戦」として、3月まで月に4日間の日程で手術を継続している。今月22日までに510頭の手術を終えている。
佐上理事長は1月、手術現場の視察に訪れた篠原一生市長に「月10日間に増やして年間3千頭のペースでできる。壱岐市側の人材と予算の確保が不可欠」と協力を求めていた。
市は、新年度予算案にスペイカーと獣医師の派遣費用、手術会場費用など736万9千円を計上。協力姿勢を明確にした。
協定の締結式で佐上理事長は「(手術の)取り残しがあると、1頭の雌猫が1回に5~6頭の出産を年に2、3回繰り返すと2~3年で2千頭ぐらいになる。市と私たちと一丸となって、一気に解決すると世界に誇れるケーススタディ(事例)となる。よろしくお願いします」と述べた。
篠原市長は「猫の繁殖力に対して年間100頭では砂漠に水を撒いているようなものでなかなか解決には至らない。本気で課題を解決していきたい。壱岐はイエネコ発祥の地でもあり、SDGs未来都市の第1号でもある。人と動物の共生は難しい課題だが、両者で手を取り合えば実現できると思う。引き続きよろしくお願いします」と述べた。