第41回ナイター陸上競技大会(壱岐陸上競技協会主催)が7日、大谷グラウンドで開かれ、5競技27種目に延べ約9百人が出場。4種目で大会新、1種目で大会タイ記録が出て、盛り上がる壱岐の陸上界を象徴する大会になった。
トラック最初の種目となった中学千五百㍍は、今年も女子中距離界をけん引する2人がその存在感を示した。中学3年女子は田中咲蘭(芦辺)が1、2年時に続いてこの種目3連覇を達成。4分55秒5で従来の記録(5分01秒2)を大幅に更新する大会新記録となった。田中は「百㍍20秒を切るペースで、4分55秒は計算通りのタイムになった。壱岐の土のグラウンドでは自己新で、調子は上がってきていると思う。ジュニアオリンピック、駅伝と、中学最後のシーズンを笑って終えたい」と故障からの完全復活を宣言した。
その田中の1歳下のライバル野村夏希(郷ノ浦)は、中学2年千五百㍍で2位に30秒以上の大差をつける5分03秒3の大会新で圧勝した。昨年は1年で5分02秒2の大会新をマークしていただけに野村は「大会新というのは嬉しいが、4分50秒台が目標だっただけにタイムは不満。これから駅伝へ向けてさらに仕上げて、郷中らしいたすきリレーで市大会で優勝したい」と駅伝シーズンに目標を切り替えた。
中学2年男子三千㍍は、第一人者の原田航汰(勝本)が、現在は短中距離にシフトした竹下紘夢(郷ノ浦)らを寄せ付けず、3年生のタイムを大きく上回る9分58秒7で優勝した。原田は「大会記録(9分42秒6)更新が目標だったが、最後にバテてしまった。3年生が引退すると最上級生になるので、駅伝でもチームを引っ張っていける存在になりたい」と抱負を語った。
日が暮れて照明が点灯された午後8時過ぎの小学5年男子百㍍には、8月の全国小学生陸上で全国4位の成績を収めた福原悠吾(志原)が登場。14秒5で2位に1秒3差と貫禄の走りを見せた。全国では13秒27をマークしていただけに福原は「大会記録(13秒9)を更新したかった。スタートで起き上がってしまい、ひじの角度も悪かった」と悔しそうな表情を浮かべたが、スタンドに最も近い8レーンという難しさの中で、堂々とした凱旋走となった。
大会会場には、全国高校陸上選抜大会六百㍍で優勝した松下翔紀(壱岐商3年)が壱岐商体育祭後に姿を見せ、スタンドへ向けて「皆さんの支えで全国優勝することができた。インターハイで悔しい思いをしたが、雪辱を遂げられた。国体、U20日本選手権でも日本一を目指して頑張りたい」と優勝報告と今後の抱負を語った。