社説

切っても切れない日韓関係。

日韓の政治的対立が、様々な問題を引き起こしている。目に見える問題としては対馬市の観光客数減少が挙げられる。同市は4日、8月に対馬を訪れた韓国人観光客数が前年同期比8割減の約7600人だったと発表した。

同市は「宿泊、観光体験、飲食、交通業者などが直接的に打撃を受けている。小規模事業者がほとんどのため、事態が長期化すれば休業や廃業もありうる。7月で3億円、8月は7億円強の消費低下が起きている」と危機感を募らせている。対馬―釜山間の航路はこれまで日韓の6社が運航していたが、9月からは3社に減少することから、今後はさらに減少幅が大きくなりそうだ。

その対馬観光の出発拠点でもあった釜山市の議会は6日、戦前に朝鮮半島出身者を雇い軍需物質を作った日本企業284社を「戦犯企業」と定義し、同市が該当企業の製品を購入しないことを努力義務とする条例案を可決した。首都のソウルでも同様の条例案が可決された。日韓関係は混迷を深める一方で、少なくともあと数年間は観光客数が戻ることは期待できそうもない。

もともと韓国人インバウンドがごく僅かだった本市には直接的な影響は見られていないが、目に見えにくい形での影響は出てくるかもしれない。先日、県の海岸漂着物対策推進協議会が開かれ、今後の対策推進計画改定について話し合われた。現在行われている海岸漂着物発生抑制対策事業の多くは、釜山市を中心とした韓国市民、学生との共同で実施されており、今年度事業は現時点では予定通り実施される見込みだというが、現状を考えると不透明な部分が大きい。

本市に漂着する国籍判明のペットボトル、ライターのうち2割前後が韓国製であり、減少対策には両国の協調体制が不可欠である。国同士の政治的な対立、感情のもつれがいくら大きくなろうと、ごく近くの隣国という立地条件が変わるわけではない。地方自治体間、民間レベルでの取り組みまで断絶させるわけにはいかない。

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