社説

やる気感じられない野犬対策。

20日に開かれた市議会定例会9月会議決算特別委員会で、今年もまた野犬捕獲委託料(456万円)についての質問が3議員から相次いだ。決算委での質問は3年連続で、一般質問も含めれば毎年、議論されている。

市環境衛生課によると、昨年度の捕獲頭数は市134頭、県保健所69頭で計203頭。前年度より増加しているが、赤木貴尚議員は「減少している実感がなく、市民から多くの情報がある。毎年同じ予算で、新たな取り組みを行っているのか」と指摘した。音嶋正吾議員は「飼い犬3匹が、野犬に殺された。10匹くらいが群れになって襲ってくる。子どもが襲われたら大変で、徹底的な対応を要望する。実行するのか、しないのか」と厳しく迫った。

市は、捕獲はこれまで通りに30機の捕獲機を情報提供があった場所に設置して、餌の種類を変えたり、1度かかったワナは徹底的に消毒して臭いを消したり、発情したメスの臭いでおびき寄せるなど工夫をしていくこと、6月には一斉捕獲事前調査として各公民館長から28件の情報提供があり、それに応じてワナを設置する考えなどを示した。

私が住む地区にも多くの野犬がおり、昼間はおとなしいが、夜に外出しようとすると5~6頭に囲まれて吠えられる。変な動きをしなければ噛みつかれることはないが、恐怖感は大きい。日の出が遅く、日没が早くなるこれからの時期は、日課のウォーキングにも支障が出てくる。市環境衛生課には1年以上前にワナ設置を要望したが、まったく設置されないし、状況調査の連絡もない。これだけ毎年、議会で指摘されている課題なのに、市のやる気が感じられないというのが正直な感想だ。

県保健所のデータによると、「捕獲」されている野犬の大半は、引き取られた子犬だという。まずは捕獲データを成犬・子犬、捕獲・引き取り・死体収容、野犬・放し飼いなどに分けて分析し、これまでの問題点を洗い出す必要があるのではないだろうか。

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