社説

社説・一点集中での創生アイデアを

市総合計画、総合戦略が策定され、さらに本市の2事業に地方創生事業交付金が配分され、本市の創生は一歩ずつ進んでいる。
今後はさらに具体的な取り組みが必要になってくるが、それには「市民力」が不可欠となる。役所は「まとめること」はうまいが、基本的には前例主義なだけに、新しく、しかもユニークな取り組みは苦手な分野。市民ならではの思考で、他の自治体では行っていない事業を推進していくことが必要だ。
先ごろ、諫早市で行われた「諫早地域活性化検討委員会」では、いかにも市民発想らしいユニークな地域創生アイデアが数多く提案された。委員会の中の「本明川河川敷活用部会」は▽河川敷にパラソル型ベンチセットを置き、ケータリングカーで軽食を提供▽諫早駅と市役所前を結ぶ川沿いに期間限定でイルミネーションを設置▽川沿い堤防をカウンターとして使う「屋外BAR」や、手ぶらで河川敷に来て楽しむバーベキューを開く、などの案が出された。
これらの案は「本明川河川敷」という場所を限定した委員会だからこそ、さまざまな発想が出されたのだと思われる。それに対して本市の計画は、名物があり過ぎるという贅沢な悩みもあって、焦点がぼやけてしまう傾向が強い。
例えば「筒城浜活用部会」を設置すれば、▽キャンブ道具一式の貸し出し▽海水浴場にWi‐Fiとスマホ無料充電コンセント設置▽天体望遠鏡と簡易プラネタリウムで星空観察▽海沿いの屋外カウンターバー設置▽ジョガーに更衣室、シャワー、ドリンク提供▽清潔感のあるトイレの設置など、観光客・市民ともに魅力的な場所になるアイデアは数多く出されるはずだ。
市老人クラブ連合会が提案している妻ケ島の活用にしても、「多数の地権者が複雑に入り組んでいるので難しい」と回答するのではなく、だからこそ市が「地権者交渉は任せてください」と言って、活用アイデアを募れば、壱岐の新名所になる可能性を秘めている。
一点集中での政策立案が今後の課題だ。

 

関連記事

  1. 社説・心ないヤジは止めて欲しい
  2. 市民が理解できてこそ「開かれた議会」
  3. 「よそ者」との融合で発展を
  4. 社説・出玉規制が依存症対策なのか
  5. 胸熱くした田中さんの疾走。
  6. 社説 子どもにも日焼け対策は必要不可欠
  7. 令和の目標はSDGs。
  8. 理解を求めるなら平易な言葉で

おすすめ記事

  1. きょう24日、21世紀枠選考委員会 「壱岐から甲子園」実現するか
  2. ゲームに壱岐伝統工芸「鬼凧」 制作指揮は芦辺町出身、増田貴大さん
  3. 昨年中の出生数120人 過去最少から2年連続微増

歴史・自然

PAGE TOP