社説

社説・唐津フェリーの早朝、深夜運航を

壱岐に来て丸3年が経過したが、先日、佐世保での高校野球を取材するため、初めて印通寺~唐津フェリーに乗船した。「エメラルドからつ」に乗船していたのは乗客約20人と乗用車1台、トラック2台のみ。船室はガラガラだった。
唐津港フェリーターミナルに到着したが、建物前にはバスもタクシーもいない。JR西唐津駅まで歩こうにも、案内板もない。スマホの地図を頼りに約15分で到着したが、駅を示す看板もなく、何とも不安な気持ちで歩かざるを得なかった。
そこから唐津、伊万里、有田と3回の乗り換えを経て、佐世保駅に到着したのは印通寺を出航してから5時間後だった。長崎市内へ行くにしても、ほぼ同様な時間が掛かる。
高校野球2試合が終了したのが午後2時半過ぎ。佐世保市営球場から松浦鉄道で佐世保に戻り、時刻表を見たが、この時間から唐津へ向かっても最終フェリーに間に合わない。結局、前日入りして2泊を余儀なくされた。同じ長崎県だというのに、その不便さを改めて痛感した。
市議会一般質問では唐津フェリーターミナルから長崎市内へ向かうバス「レインボー壱岐号」の再開を何人かの議員が要求したが、市長の答弁は「県に要望する」などにとどまっている。唐津が佐賀県であることも、長崎県からの要望で運航させることを難しくしているようだ。
それならばせめて、フェリーの運航時間を見直せないものだろうか。指定路線で1日5往復もしているのだから早朝便、深夜便を運航してくれれば、長崎市への日帰りも可能になる。ジェットフォイルは日没後の運航が不可能だが、フェリーであれば問題がないはずだ。
市航路対策委員会では印通寺~唐津フェリーの減便を要求しているが、せっかくの島民の足を敢えて少なくさせるよりも、より利便性を高めることの方が重要であるはず。経済的に航空機が使えない人、長崎、佐世保市内の病院に通院、見舞いに行っている人など、社会的弱者の声をまずは届けてもらいたい。

 

関連記事

  1. 壱岐の伝説を作ったB’zライブ
  2. 社説・炎上させるほど大胆な宣伝を
  3. フェリー港の集約化を。
  4. 社説 フィルム・コミッション設置を熱望
  5. 低賃金が人口減少の最大要因
  6. UIターン者の立場で施策を
  7. 社説・心ないヤジは止めて欲しい
  8. 停電防止に電線地中化工事を

おすすめ記事

  1. 還暦式で長寿願う 313人が出席
  2. 無人島でかくれんぼ 妻ヶ島で大会初開催
  3. 低塩分、外洋との水温差など指摘 「護岸撤去などで生育環境改善を」 イルカパーク管理・ 環境等検討委員会

歴史・自然

PAGE TOP