高校野球のセンバツ甲子園大会でベスト8入りを果たした海星の小畑翔大主将(3年、石田中出)が3月30日から4月2日まで、本市に里帰りして、応援してくれた関係者へ感謝の挨拶回りをした。母校の石田中学を訪れた小畑主将にインタビューし、激闘の3試合を振り返ってもらった。
―ベスト8という成績をどのように評価しているか。
小畑 チームの目標はもちろん日本一だったが、夏の甲子園でそれを実現するために、センバツの最低目標はベスト8だった。1つの目標を達成できたことは自信になるし、夏につながると思っている。
―憧れの甲子園でプレーした感想は。
小畑 最高の場所だったし、本当に楽しかった。チームのモットーである“笑顔でプレー”に徹することができたことも良かった。でもこれで終わりではない。まだ夢の途中です。
―1回戦は地元・兵庫の長田戦。相手の大応援団でやりにくかったか。
小畑 アウェーな雰囲気を覚悟していたのに、スタンドには多くの海星応援団がいた。壱岐からも多くの人が来てくれた。すごく力になって、落ち着いてプレーをすることができた。応援の力はすごいと改めて感じたし、多くの人に支えられて甲子園に立たせてもらっていることを実感し、感謝の気持ちで一杯になった。
―4番打者として打撃も素晴らしかったが、1、2回戦は積極的な走塁が先制点、決勝点を生んだ。
小畑 50㍍は6秒台前半なのでそれほど速いわけではないが、ベース周りの走塁はかなり練習した。チーム全体として、常に次の塁を狙う意識を植え付けているので、それを形にすることができて良かった。
―自らの後ろ姿で主将という重責を果たしたのではないか。
小畑 仲間や下級生にそう思ってもらえたら嬉しい。キャプテンの仕事は報道対応など大変な部分もあったが、人間性を磨くための貴重な経験になっている。自分の人生の成長につながると思っている。
―2回戦では昨年の優勝チーム・敦賀気比に競り勝ち、準々決勝は明治神宮大会優勝の高松商を苦しめた。夏へ向けて大きな自信になったのではないか。
小畑 確かに自信になった部分もあるが、負けて悔しい気持ちがはるかに大きい。悔しいままで終わらせないようにしなければならない。敦賀気比戦は練習でやっていたことが試合でできた。だが高松商戦は、連投で苦しい投手陣を野手が助けなければならなかったのに、記録に表れないミスで逆に足を引っ張ってしまった。
高松商とは技術的な面ではやはり差があった。送りバントなど、きっちりと決めていた。勝ったチームはやはり強い。その技術面はとにかく練習して、九州大会、NHK杯の実戦を通して身に付けていくしかない。そして気持ちの面で負けないようにしなければならない。
―小畑、土谷の2人の活躍は、離島のハンデを懸念する後輩たちに大きな自信を与えた。
小畑 そう思ってもらえたら嬉しい。多くの指導者、応援してくれる人たちのおかげで、ここまで来ることができた。もっと目標にしてもらえるように、夏の甲子園で日本一を目指す。