市議会の第6回庁舎建設特別委員会が1日、市議会議場で開かれ、4月26日に実施された壱岐市庁舎建設に関する住民投票の結果を受けて、白川博一市長が「新庁舎は建設しないことにした」と建設計画を正式に撤回。議会からの異論はなく、市庁舎の建設は見送られることが決定した。
白川市長は投票結果を振り返り「新庁舎が真に必要かどうかを市民に判断してもらうための住民投票であり、市は客観的事実に基づき、顧問弁護士とも相談しながら、公平公正な情報提供を行った。60%を超える投票率は、市民の市政への関心の高さを示すものであり、双方の意見とも根本は壱岐市を良くしようという思いである。協働による町づくりという面で意義のある投票だった」と語った。
反対票が賛成票の2倍となる結果については「職員の大半が本庁舎へ移ることで、地域の疲弊を心配する気持ちが強かったことが要因の一つ」と分析。今後については「合併特例債を活用するためにも、現庁舎の耐震化・長寿命化工事を早急に検討しなければならない」と、総務部庁舎建設対策課の職員をそのまま建設部庁舎整備課に移行して、現4庁舎の整備を急ピッチに行う方針を示した。
また自身の今後については「議員、市民とともに全力で市政にあたる所存」と辞任などは考えていないことを示した。
質疑応答で音嶋正吾議員が「特別委は独自調査を行わず、執行部の提案を黙認しただけの追認機関だっだ。庁舎建設問題の真っただ中に市三役、議員歳費を上げる条例を可決したことも言語道断。反省すべきだ」と議会特別委の姿勢を批判した。
これに対してオブザーバーの町田正一議長は「何をもって追認機関だというのか。はっきりと示すべきで、あなたのパフォーマンスにしか見えない。議員報酬が低く、それだけで生活ができないから、若い人が議員になろうとしない。もっと上げても然るべきだ」と反論。
庁舎建設検討特別委員会の会長だった市山繁議員も「調査に不満があるのなら、委員会の時に言うべきだ。質疑がそれ以上ないと言うことで、建設の必要性ありと議決した。音嶋議員は“私は反対だから出席しなくてもいいだろう”とまで言っていたのだから、いまさら“追認だ”などと言うべきではない」と指摘した。