壱岐商業高校(戎野和幸校長、196人)で11日、私服での登校を可能とする「オフィスカジュアルデー」が実施された。社会で求められる身だしなみを場所、目的、場面に応じて自ら考え、選択する力を育もうと、県内の公立高校では初めて実施された。
この日を前に生徒有志によるプロジェクトチーム(8人)が組織され、全校生徒と高校の職員に実施の可否を問うアンケートをしたり、ルールを決めるなどして約1か月間準備してきた。
プロジェクトチームは、私服選びのルールとして▽自分らしさ▽新たに買わない、持っている服で▽ギラギラしていない▽ヨレヨレしていない▽露出しない―の5つのコンセプトを決めたが、それ以外は各生徒の判断に任せた。
当日は出席した生徒183人のうち59人(約32%)が私服を着用して登校し、普段通りの学校生活を過ごした。
私服を選んだ生徒からは「落ち着かないような気もするけど新しい一歩を踏み出せた気がする」「制服だと黒や紺で色が限られるけど、私服は明るい色があり教室が華やかになると感じた」などの声が聞かれた。
お気に入りのスポーツブランドを着て、「自分らしさ」を表現したプロジェクトチームのリーダー、中原康太郎さん(3年)は「不安もあったが、思っていた以上に(私服を)着てくれてよかった」と安堵の表情。「『その服似合っているよ』という声も聞けて、人の価値観を知る機会にもなったと思う。学校側からもらったチャンスを最大限生かしながら、ルールの範囲内で皆が自分らしさを出してくれて嬉しく思う。今回は服だけだったが、髪や化粧、アクセサリーなどにも広げていきたい」と話した。