勝本町の聖母宮大祭が今年も10~14日に行われた。最終日には恒例の和船競争があり、伝統行事を見物しようと、市民や観光客が岸壁に集まった。
和船競争は赤と白の2隻にそれぞれ5人が乗り、1人が水竿(みさお)と呼ばれる長い竹を持って指揮をとる。勝本郵便局前から対岸の「御仮堂」までの約250㍍を櫓(ろ)で漕ぎ、白が勝てば豊作、赤が勝てば大漁と、古くからその年を占う伝統がある。
出発地点では、風舞組が太鼓を演奏して機運を高め、続いて宮世話人らが岸壁に青竹を打ちつけて競争の開始を告げ、船と岸壁を繋いだ綱が切られて同時にスタート。漕ぎ手の勇壮な掛け声と共に船は波を切り、今年は僅差で白が勝った。東京から観光で来島した会社員、鈴木義人さん(35)は、「雰囲気が独特で、地元の伝統が根付いている感じが良いなと思いました」と話した。