壱岐イルカパーク&リゾートで昨年3頭のイルカが相次いで死亡した事案を受け、専門家らにより構成されたイルカパーク管理・環境等検討委員会(委員長・川嶋舟東京農業大学農学部准教授=獣医師=、7人)の第1回会議が2日、壱岐の島ホールで開かれた。
会議では同パーク指定管理者のIKI PARK MANAGEMENT株式会社・高田佳岳代表が施設概要、トレーニング・プログラム内容、医療体制、給餌内容、海洋環境検査結果などについて説明した。
同社が指定管理となった2019年以降に死亡した6頭の死因は、肝臓炎・肝炎由来の膵炎が4頭、肺炎1頭、不明1頭。07年から飼育されてきた20頭の中で3年以上生きたのは6頭。飼育年数の平均は3・4年、中央値・最頻値は2年。19年のリニューアル以降に導入した3頭の飼育年数は平均2・4年だったことなどを報告した。日本水族館協会が発表した全国的な平均飼育年数は10・4年。水族館よりもふれあい施設の方が寿命が短い傾向があり、ふれあい施設での飼育年数は概ね3~5年だという。
高田代表は「早世の原因として、健康管理問題としては運動不足、餌・給餌量、薬(オーバードーズ)、海洋環境問題としては汚染物質、水温、海水の滞留などの仮設が立てられるが、どれも数値的に大きな問題はないように思われるし、可能な限りの対策を講じている」と委員会に原因究明を求めた。また、早ければ9月から常勤獣医師が着任する予定であると話した。
死亡要因の検討は次回以降に行われる。